ネットで面白動画を投稿して稼ぐYouTuberが注目されて久しい。最近では小学生の自由研究にYouTubeを活用するガイド本が登場し、話題となっている。


いまやYouTuberは社会的に認知されつつあるといえるが、90年代にも早すぎたYouTuberのハシリともいえる番組が存在した。それが『投稿!特ホウ王国』(日本テレビ系)である。番組名を変えながら、1994年5月から1997年9月まで放送された。

YouTuberのハシリだった?


『投稿!特ホウ王国』では、番組がひとつの報道局に見立てられ、視聴者からスクープネタが投稿されてくる。
それを、ウッチャンナンチャンがそれぞれ内村班、南原班の“特ダネ”として紹介してゆくものだ。司会は笑福亭鶴瓶と、元フジテレビアナウンサーの河野景子が務めた。(河野が貴乃花光司と結婚後はリサ・ステッグマイヤーが就任)。

番組の流れは、ウンナンがそれぞれ過激なキャッチコピーを散りばめてネタを紹介。その後、日本テレビアナウンサーが「特派員」として現場に出向く取材VTRが放送されるというもの。

番組で取り上げられたネタは「女性2人が同時に高い声を出すと電話がかけられる」「花火で文字を描ける(この時、夜空に上がった文字は「うんこ」であった)」といった“やってみた系”の企画が多く、これらはYouTuberのハシリといえるだろう。
さらには、「人間のおっぱいを吸うネコがいる」といった日曜夜7時とは思えない“下ネタ”系の企画も多かった。

『投稿!特ホウ王国』を手掛けた大物


『投稿!特ホウ王国』以前にも、視聴者が撮影した映像を投稿する番組として『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(TBS系)『ビデオあんたが主役』(テレビ朝日系)などが存在したが、これらの番組はペットのかわいいシーンや子どものハプニングなど一発ネタが多く、素材をそのまま見せるだけのものだ。さらに家庭用の8ミリビデオで撮影されているため音声も画質も悪かった。


対して『投稿!特ホウ王国』は視聴者のネタをベースに、プロのテレビマンがアレンジを加えるものだった。番組の総合演出を担当したのは『マジカル頭脳パワー!!』や『エンタの神様』、『24時間テレビ』を人気番組に仕立て上げた五味一男である。

結論はあっけないネタでも、途中の過程を面白おかしく演出されることでつい見入ってしまう。このスタイルは現在のYouTuber文化に通ずるものがあるだろう。

※文中の画像はamazonより400万人に愛される YouTuberのつくり方
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