
90年代を小学生、中学生として過ごした30代から40代なら強烈に記憶に残っているであろう商品がある。「豆本キーホルダー」、またの名を「キーホルダー式ミニブック」だ。
どこで買ったか覚えていないがみんな持ってた
豆本キーホルダーがいつ、どのようにして広がっていったのか。当時小学生だった筆者の記憶は正確ではないが、どこで買ったのかさえ覚えていないにも関わらず、クラスメイトの多くが豆本キーホルダーを持っていて、しかもその種類はなぞなぞだけではなかった。ガチャガチャの景品だったような気もするし、高速道路のサービスエリアのお土産に置いてあった気もするし…と、正確な入手経路は覚えていない。
小さいのにちゃんと読めた豆本
「なぞなぞチェック100」のほか、「ダジャレの百連発」などのエンターテインメント系や「水族館の生き物」、「恐竜図鑑」といった図鑑系、占い系、漢字・英語辞典系、雑学系など幅広い分野の豆本キーホルダーが存在していた。
これら豆本のすごいところは、5センチ四方ほどしかないサイズながら、虫眼鏡なしでちゃんと読むことができたという点だろう。しかも、ページ数もサイズのわりにしっかりとした厚みを感じるほどだった。
授業中にこっそり読んでいるのを見つかって、先生に取り上げられる者も多々おり、放課後先生に返してもらうときには豆本の中から出題されるという光景も珍しいものではなかった。
今でもひっそりと存在する豆本

ガチャガチャで目にすることがなくなってしまったからか、はたまたお土産屋のキーホルダーコーナーに目をやる機会が大人になるにつれて激減してしまったからか、豆本キーホルダーはもう過去の思い出の中にしかないと思っていた。
しかし、東京堂書店などでは「豆本がちゃぽん」向けに作家が独自に豆本を制作したものを定期的に販売していたり、ネット通販サイトなどでひっそりと販売されていたりと、豆本は目立たないながらも健在のようだ。
書籍から電子書籍への移行がいまいち進まない昨今、いっそのこと豆本キーホルダーにしてくれればコレクター魂が刺激されるかもしれない。されないかもしれない。
(空閑叉京/HEW)