
Kakunoはどんな万年筆?
PILOTの『Kakuno』はもともと子供でも使える万年筆として発売された。鉛筆のような六角の軸と、かわいらしいフォルムで使っていて楽しくなる、優れた入門用万年筆だ。名前の由来は六「角の」軸で「書くの」が楽しくなるところからきている。
だが、1000円と安価で、3000円の万年筆cocoonと同等のペン先を持ち、さらには別売りのコンバーターを装着して好きなインクを使える自由度の高さから、大人でも愛用者が続出。一躍人気の万年筆となった。
詳しくは発売当時に書いたレビューがあるので、そちらも参照して欲しい。
インクの色が見える透明ボディ
今回発売されたのは、透明ボディ。万年筆では、美しいインクの色が見える人気のボディだ。白軸バージョンが発売された際に、ペン先は透明になっていたが、とうとうキャップや軸まで透明になったというわけだ。これでキャップを閉めた状態でもインクを眺めることができる。

同時に、EF(極細)のペン先も発売された。万年筆のペン先にはEF、F、Mなどいくつかの種類があり、細い方から順番に並べると以下になる。
EF(極細)<F(細字)<FM(中細)<M(中字)<B(太字)<BB(極太)
日本製のペン先は全体的に海外製よりも細い傾向があるため、Fでも十分手帳などに書いたりできる。
今回は透明ボディでEFを購入した。
ちなみにKakunoはペン先にある笑顔マークが特徴的で、今回の透明ボディは舌を出した絵となっている。

実際に書いてみると、いつものKakunoの書き心地だ。若干、細いせいでぬらぬらとした感触が足りないが、軽い筆圧で快適に書くことができる。
もちろん、極細だけあって、細かい字も問題ない。コンパクトな手帳にも十分に書けるだろう。

今回はCON-40というコンバーターを使用した。前回の記事を書いたときに使っていたCON-20やCON-50が終売になってしまったからだ。今のKakunoでは、PILOTのCON-40およびCON-70を使うことができる。ただし、初期の軸を使っている場合は大容量のCON-70が使えないことがあるので、発売当初に買ったKakunoに装着する場合にはCON-40を使うようにしよう。
CON-40は小さいボールがいくつか入っていて、これらが中のインクを最後までかきだし、使うことができる。
現代はコンピューターを使って文字を書くことが多く、また手書きでもボールペンの方が利便性が高いため、あまり万年筆を使うことはないかもしれない。だが、線の強弱をつけたり、さまざまなインクを使い分けたりと、使ってて楽しい文房具だ。今回の透明ボディでさらに、見て楽しむ要素も加わった。この機会に万年筆を使ってみてはいかがだろうか。
(杉村 啓)