時代はアメリカン!……なの??
カルビーとコイケヤの新厚切りブランドが「アメリカンテイスト」でガチンコ対決中だ。

毎週のように新フレーバーがコンビニに導入され、入れ替わりが激しいポテトチップス業界。
どう「付加価値」をつけるかが毎回の重要なテーマであり、これまでは「厚切り」であることがその付加価値のひとつだった。だが、どうやらそれだけじゃ物足りなくなってしまったようだ。

今春、カルビーは「Deepo」、コイケヤは「ザ・ポテリカン」という新ブランドを立ち上げ、新たな厚切り戦争を勃発させている。
キーワードはどちらも「新食感」「濃厚」、そして「アメリカン」だ。

【カルビー:従来品の2倍の厚さ「Deepo」】
先に仕掛けたのはカルビー。
日本初登場の「ディープカットスライス」を全面に打ち出した「Deepo(ディーポ)」を2月末から新発売した。
フレーバーはシチリア島の岩塩を使用したロックソルト味と、辛旨テイストのハバネロチーズ味の2種類。

とにかく特徴はチップスの厚さだ。従来品である厚切りポテトチップス「ギザギザ」の約2倍をうたっている。
チップスの厚さでいえば、コイケヤが冬にリリースする「ワッフルカット」が従来品の3倍の厚さを売りにしていたが、ビジュアル的なインパクトでは、ワッフルカットに近い厚さを感じることができる。
で、実際食べてみると、ザクッとした食感が心地よく、それでいて重たくはなく、あっという間に食べ切ってしまう。

この「Deepo」。
パッケージからは伝わりづらいが、CMやホームページを見ると、アメコミタッチのイラストやムーンウォークといったアメリカンテイストを打ち出しているのももうひとつの特徴。アメリカのバラエティ番組的なCMに、これまでのカルビーっぽさはない。


【コイケヤ:袋をあけた瞬間の濃厚さがたまらない「ザ・ポテリカン」】
対するコイケヤは、もっとアメリカンテイスト。
だって商品名が「ザ・ポテリカン」
パッケージはアメリカン・コミックを連想させ、「Deepo」よりさらにアメリカン満載な仕上がり。
3月からコンビニでは発売中で、先週から全国のスーパーでも販売開始されたので、ますます買いやすくなった。

こちらの特徴は何よりもパンパない濃厚さ。
フレーバーは「サワークリームオニオン」と「チェダーチーズ味」の2種類。
特に「チェダーチーズ味」は袋をあけた瞬間にその濃厚さ加減を味わうことができる。
従来のリッチカットとは違う、波形の「ウェーブカット」の食感も楽しい。
自分の写真をアメコミ風イラストにしてくれる「アメリカンな似顔絵プレゼントキャンペーン」も実施中と、とことんアメリカンにこだわる遊び心は実にコイケヤらしい。


厚切りポテトチップスはこれまで、昨年発売25周年を迎えたカルビー秋の定番「ア・ラ・ポテト」でまずカルビーが市場を開拓。

さらには「夏ポテト」、そしてコンビ二通年商品の「ポテリッチ」、スーパー通年商品の「ギザギザ」などでブランド展開をしてきた。
対するコイケヤはかつては「グルメカット」シリーズで、2008年頃からは阿部サダヲのTVCMで人気となった「リッチカット」シリーズががっぷり四つの「厚切り戦争」を繰り広げてきた。

ただ、それぞれ多少の形状の違いはあれでも、大きくはフレーバーの差とじゃがいもの産地の差でしかなく、より「個性」を打ち出してきたのが今年の大きな傾向。その個性がどちらも「アメリカン」というのがまた面白い。

ポテトチップスは暑くなると売りにくい、という話も聞く。
これからますます暑くなるこれからの季節、クドいまでの熱さと厚さであえて勝負する2つのブランドの戦いにますます要注目だ!
(オグマナオト)
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