8月26日から27日にかけて放送された『24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ系)。その裏番組『バリバラ』(NHK Eテレ)に、ネット上で「攻めすぎで面白い!」と好評の声が上がっている。


「24時間テレビ」の裏番組に大反響


今年の「24時間テレビ」は「告白~勇気を出して伝えよう」がテーマ。タレントのブルゾンちえみさんがマラソンにチャレンジする企画や、義足の女性が「槍ヶ岳」登山に挑戦する様子が放送された。

その一方、27日に裏番組として生放送された『バリバラ』も「告白! あなたの夢はなんですか?」がテーマで、筋力の低下する難病を患った男性が野球に挑戦するなど、「障害者の夢を実現し感動を分かち合う」企画を展開していく。
しかし野球を体験した男性は「(バットに)当たったのはいいけどあまりやった感じはしなかった」「(テレビ)ゲームでよかった」と不満げな様子。

ほかにも「なんとしても感動を分かち合いたい!」というテロップと共に登場したのは、脳性まひの男性だった。小学生の頃、障害のため登れなかった山に挑んだものの、早々に「がんばれないなコレ」と挫折する。そしてスタッフから「がんばろう」と声をかけられると、「がんばらなダメなんですか?」「自分(の力)で登りたいって言ってるわけじゃないし、景色見れたらいい」と本音をポロリ。男性からの「障害者ががんばっているのを見て面白いですか?」というコメントも放送され、感動を求める番組や視聴者とのギャップが浮き彫りにされた。

この内容にネット上では「感動させようとして空振りしてるのが皮肉効いてるなあ」「障害者の本音って感じで面白い」「無理に涙を誘おうとしない、これがアリのままの姿なんだろうな」と大反響が上がっている。

「攻めすぎ」な企画が好評


『バリバラ』は「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」のバリアをなくすための情報バラエティ番組で、昨年も「24時間テレビ」に合わせて「検証! 『障害者×感動』の方程式」と題した企画を生放送していた。番組では2014年に骨形成不全症のステラ・ヤングさんが行った演説を取り上げ、障害者の人生を「健常者に勇気や感動を与えるための道具」として扱うことを「感動ポルノ」と呼ぶと紹介。

そして難病で寝たきりになった女性の生活を感動的な演出で見せつつ、「実は大変じゃない」といった本音も映す疑似ドキュメンタリーを放送。この放送はネット上で大きな話題を呼び、「感動・悲劇を演出するような裏番組の手法を揶揄。
NHKだからこそできる気がする」「すごいな、障害者は健常者を感動させる道具じゃないと言い切った」と好評を呼んだ。
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