■下剤と下痢止め、どっちが効くか?
■田中角栄のソックリさんは国会議事堂に顔パスできるのか?
■シマウマは素肌も白黒なのか?
以上はすべてテリー伊藤が発案した企画。奇想天外で荒唐無稽ながら、毒にも薬にもならないところがある意味、テレビバラエティの王道ともいえます。
テリーイズム全開だった“浅ヤン”
そんな倫理や常識に囚われない「テリーイズム」の運用母体として、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』と共に有名だった番組といえば、『浅草橋ヤング洋品店』(テレビ東京系)です。1990年代後半から“夢のオーディションバラエティ”ASAYANとなる前までの同番組は、常軌を逸した企画のオンパレードでした。
代表的なのが、城南電機・宮路社長と大塚美容外科・石井医院長による、自前のロールスロイスを用いた綱引き対決。
1台4,000万円オーバーの超高級車・ロールスロイスの車体前方に屹立するシンボル「フライング・レディ」にロープを括り付け、どちらかの女神像がポキっと折れるまで、エンジンフルスロットルで綱引きバトルを繰り広げる……。こんな衝撃映像、後にも先にも浅ヤンでしか見られないでしょう。
過激企画を連発した『パープリン大学』
この『浅ヤン』の姉妹番組として誕生したのが、月曜21時台のドキュメントバラエティ『名門パープリン大学日本校』でした。
「パープリン」とは、『お坊ちゃま君』『ゴーマニズム宣言』でお馴染みの漫画家・小林よしのりが案出した造語。彼が70年代後半に発表した漫画『東大一直線』の中に登場する「頭が“パー”なので、脳が“プリン”」を意味する言葉であり、主に、「アホ・バカ」等の同義語として扱われます。
その名の通り、同番組はどうかしている企画を連発しました。「富士の樹海をカーナビで脱出できるか?」「バリウムと墨汁を飲んだら大便は何色になるのか?」「牛革の靴を煮込んだらダシはとれるのか?」など、枚挙に暇がありません。
なんでもこの番組、テリー伊藤が他の番組で立案したものの、あまりに過激なために不採用になった企画を寄せ集めて構成していたのだとか。
本人的には自由にやらせてもらったため「自分の関わった番組の中で最も好き」とのことですが、案の定クレームの嵐だったらしく、2か月あまりで打ち切りとなってしまいました。
江頭伝説の幕があけた第1回放送
そんなテリーイズムの体現者として彗星の如く現れたのが、当時無名だった江頭2:50でした。
ということで江頭は、第1回のスタジオ収録時から早速暴走。スポンサー企業のお偉方が見ている目の前で、番組スタッフが制止するのも意に介さず、“焼畑農業”と自称する陰毛にライターで火をつける芸を披露したのです。
これにより初回でレギュラー降板、時間にしてわずか20分程度。長きにわたる日本のテレビ史においていまだ破られていない、偉大なる最短記録を樹立したのでした。
なお、この降板劇に納得しなかったテリーが、その後も江頭を浅ヤンで起用し続けたこともあり、彼はアングラ芸人としてカルト的人気を博すようになっていきます。こうした江頭とテリーの縁を紡ぎ、「江頭伝説」の幕開けを演出した番組という意味でも、「パープリン大学」は今後も語り継がれていくことでしょう。
(こじへい)
※文中の画像はamazonより江頭2:50のピーピーピーするぞ!始末書覚悟の逆修正バージョン [DVD]