それがデビュー当時における、GAOのキャッチコピーでした。ベリーショートの髪型にシュッとした、今でいう塩顔系男子風のルックス、白のYシャツ&極端にハイウェストな黒パンツというスタイル、そして、低音の効いたハスキーボイスが印象的でした。
鈴木京香主演のドラマの主題歌だった『サヨナラ』
ブレイクのきっかけとなった楽曲は、1992年4月21日にリリースされたセカンドシングル『サヨナラ』。この曲は、若き日の高嶋政宏と鈴木京香が主演した連続ドラマ『素敵にダマして!』(日本テレビ系)の主題歌に起用されて、一躍話題に。
オリコン週間シングルチャート最高3位で年間16位。売上枚数は累計123.6万枚(オリコン調べ)を記録し、その年のNHK紅白歌合戦にも出場を果たしました。
自ら「年齢不詳・性別不詳」の設定を提案した
後に女性であることが公表されたGAO。デビュー時、なぜ「年齢不詳・性別不詳」という路線でいったのかというと、本人からの提案で始まったといいます。
それは1990年のこと。NHK『全日本勝ち抜きロック選手権 BSヤングバトル』にバンド・GAOのボーカル「GAO藤乃」として出場し、見事優勝を勝ち得た彼女は、レコード会社からスカウトされました。その会社で知り合ったあるディレクターからこんな話を聞いたことが運命を決めることとなります。
「性別も年齢も分からないアーティストを探している」
かねてより「音楽には性別も年齢も関係ない」との持論をもっていたGAOは、このアイデアにいたく共感。
喉をつぶし、ハスキーボイスになっていたこともあって、「それなら年齢・性別不詳にしたらどうでしょうか?」と、自らを売り込んでいったのでした。
一時はラッパーとして活動していた
このように、自ら率先して「年齢・性別不詳」キャラを設定したものの、イメージが独り歩きし過ぎて窮屈さを感じていたGAOは、1996年3月に活動を停止。1997年からはヒップホップアーティストとして再出発を果たします。
HIPHOP・R&Bユニット「W.A.H」を結成後、2000年からは、ギャングスタラッパー・REAL"G"と改名して活動。
2010年以降は、自身最大のヒット曲『サヨナラ』を、「あの人が今」的なバラエティ番組で披露することもしばしば。2017年6月には『ガキの使い』の渡辺直美七変化に特別出演し、渡辺と一緒に歌ったりもしていました。
(こじへい)
※文中の画像はamazonよりサヨナラ