「28歳が服に3万円」くらいで驚かないで! 男子が知らない女子のオシャレと懐事情

3万円。そのお金があれば、みなさんは何に使うでしょうか。

先日、人気女性声優・竹達彩奈さん(28)が着用していたワンピースの値段が約3万円だったことを、オタク男性たちが「高額だ」と指摘。オタク男性が女性の服の値段を知らないことを嘆くツイートが話題になりました。
このつぶやきが拡散されてからは、「28歳が特別な場に出る服として3万は普通だし、職業を考えればむしろ安い」「(高額と指摘した男性の)金銭感覚の方がおかしい」など、現在は多くの男性たちが3万円を支持するようなコメントをしているようです。

3万円という金額は、働く20代・30代にとっては“頑張れば出せるけど、すんなりは出せない”という微妙なライン。だからこそ、洋服で出し切るかと問われると、賛否が分かれるのでしょう。
ただ多くの男性に言いたいのですが、洋服というのはあくまでも女子の支出の一部分であり、女は“オンナ”でいるだけで、男性以上に支出をしていることを知ってほしいと思うのです。



被服費よりも美容費がかかってること、知っていますか?


今回話題になった議論は「被服の金額」でしたが、「美容費」のリアルは、それ以上なのです。

美容費の話をすると、よく「化粧してもブスなのに」などのヤジが男性側から飛んでくるのですが、勘違いしないように言っておきます。
多くの女性は、いつまでも綺麗になりたいと思うと同時に「大人の女性のマナー」として化粧をしています。そのため「ブスは化粧しても無駄」というヤジは無意味であることをご理解ください。

その辺を加味して女性のリアルをご紹介すると、自宅での「美容費」には「スキンケア」と「メイク」の2種類の支出が発生します。
これは美容院とかネイルサロンとかエステなど、一般的に男性が想像する特別なケアとは別。自宅で毎日朝晩行う普通の肌の手入れとメイクのことです。



「スキンケア」は“沼”である!


スキンケアとは、端的にまとめると化粧落としから洗顔、その後の化粧水やクリームのことを指し、おもに肌に潤いを補給することを目的としています。
一方のメイクアップとは、ファンデーションやリップ、マスカラなど、顔の造形をよくするために使う化粧品を指します。
恋愛経験豊富な男性も、「なんかつけてる」くらいにしか認識していないですが、女からするとやめる気はないけれど、けっこう面倒なものです。
なぜ面倒かというと、とにかく手順が大変なのです。

女性の化粧品・意識に関する実態調査2016(ポーラ文化研究所)によると、「スキンケア」にかける平均アイテム数は全世代平均約6.15個。1カ月の平均支出は約3,833円です。「メイクアップ」のアイテム数は8.34個で、平均支出が1カ月4,004円。

つまり一年間、顔面を健やかに保つためだけに、女は94,044円も支出しているのです。

多くの女性は、この14、5個のアイテムを、どんなに酔っ払った夜も寝坊した朝も、ほぼ欠かさず儀式のように顔に塗りたくっています(時々さぼるけど)。
しかも恐ろしいことに、化粧品には価格に天井がありません。今回ご紹介したのはあくまで平均値ですので、美しい見た目の女性や、ビジュアルにこだわりを持つ女性は、これ以上の支出をおこなっていることをご理解ください。

「高額化粧品は一歩足を踏み入れると、抜け出せない“沼”がある」オンナを保つための恐ろしさが、男性のみなさんもご理解いただけたでしょうか。


男性よりファストファッションが充実していても出費がかさむ理由


化粧品代の破壊力は数字にすると筆者も正直びっくりしますが、衣服も女性は男性と比べ、低価格のファストファッションが充実する一方、身につけるアイテム数が多いのも悩ましい問題です。

アクセサリーだけでもピアス、ネックレス、ブレスレット、時計、指輪など、つけようと思えばキリがありません。しかも洋服やアクセサリーなどのアイテムは、値段と質が化粧品とは異なり目に見えてわかってしまうため、ある程度の価格帯のものを年齢とともに持たないと「バレたとき恥ずかしい」と考える女性も多くいます。
そう考えると、3万円のワンピースの裏側にある、女の難しさと努力が、少しわかってくるかもしれません。

今回の議論の中心には、「3万円」という金額がありました。3万円は、“特別な支出”の1つの目安として私たちの日常にあるため、多くの人が悩んだのかもしれません。
たとえば友人知人の結婚披露宴のご祝儀平均は3万円ですし、Nintendo Swich(ニンテンドースイッチ)の本体価格は29,980円(税抜き)。
このように、日常の中の特別な支出のギリギリラインとして、普段から3万円を意識しているからこそ、「洋服1着に3万円」に過敏に反応してしまったのかもしれません。
3万円の洋服が正解かはわかりませんが、もし理解に苦しむ男性がいるならば、女を理解する勉強と思って、一度3万円の普段着を買ってみるのも経験かもしれません。
(おおしまりえ)