そしてこの"声"を務めるのが、TARAKO。TARAKOは放送開始からまる子の声だ。
それではTARAKOがまる子役に選ばれたのにはどんな理由があるのだろうか。
重要となるキャラクターの声
コミック連載における人気上昇とファン数増大にともない、『ちびまる子ちゃん』はアニメ作品化されることに。アニメ化にあたっては、 “それぞれのキャラクターの声をどんな声優が演じるか”が非常に大事だ。
キャラのイメージを体現したような声とセリフ回しができるかどうかはかなり重要である。逆にいえば、一度定着すると、後から変えようとするにはドラスティックな力技が必要となる。
過去には、アニメ版ルパン三世の声を演じた山田康雄が他界した際、そのモノマネをしていたお笑いタレントの栗田貫一が抜擢され、以降ずっとルパンの声を担当。ルパンの声とイメージはすでに一体化していたため、大幅な声の変更を避けたということだ。
一方、アニメのドラえもんの声優陣が総取っ替えとなった際には、それまでの声質とは違う声優陣のラインナップに、賛否両論が噴出。ちょっとした物議を醸した。
TARAKOがまる子役に選ばれた理由
さて、まる子の声優に選ばれることになるTARAKO。そんな彼女の声優デビューは、アニメ『うる星やつら』に登場した幼稚園児役だった。
しかし、ちびまる子ちゃんのオーディションには、実力のある著名な声優が多く来ていたらしく、TARAKOは「自分は落ちるな」と思ったとも語っている。
しかしふたを開けてみれば、見事に合格。どんなところが審査員の目に留まったのだろうか。
理由のひとつとされているのは、作者であるさくらももこと声がそっくりだったというのが挙げられる。
実際に1990年代初頭に放送されていた『さくらももこのオールナイトニッポン』を聞くと、たしかに瓜二つ。今改めて聞いてみると、あのアニメの中のまる子が話しているかのような錯覚を抱くほどだ。
ちなみに『ちびまる子ちゃん』はアニメ放送開始後、1年のうちにアニメ歴代視聴率2位の39.9%を記録するほどの大人気に。その理由のひとつにはTARAKOの声であることは間違いない。
※文中の画像はamazonよりちびまる子ちゃん (1) (りぼんマスコットコミックス (413))