
スーパーマン映画、久しぶりのリブート作
タイトルである『マン・オブ・スティール』(以下『MoS』)とは世界最初のスーパーヒーロー、スーパーマンの愛称。「鋼鉄の男」の意味である。意味づけとしてはノーランがタイトルを『バットマン〇〇』にせずに『ダークナイト』としたような感じ。このタイトルの通り、本作はスーパーマンを主人公にしたものだ。
アメリカの二大コミック出版社の片方であるDCコミックスが、1938年に刊行された『アクション・コミックス』誌の第一号で登場させたスーパーマン。戦前から大活躍していたスーパーマンは1948年に連続活劇としてすでにスクリーンデビューしていたが、映画として印象的なのは1978年から4作(間に『スーパーガール』を挟んでいる)作られたクリストファー・リーヴ版だろう。2006年には『スーパーマン リターンズ』が作られたが、その後スーパーマン映画は『MoS』まで沈黙することとなる。『MoS』は、DCコミックスの映画シリーズであるDCEUの第一作とされ、このDCEUは今後もシリーズが継続される予定だ。
物語は超文明を持ちながら崩壊の危機に瀕したクリプトン星から始まる。停滞したクリプトン星の現状に不満を抱えるゾッド将軍はクリプトン星人存続のためクーデターを画策。一方科学者であるジョー=エルはこの危機に際し、生まれたばかりの息子カル=エルを小さな宇宙船に乗せ、クリプトン星人最後の生き残りとして外見の似た知的生命体のいる地球に向けて脱出させる。一方ゾッド将軍のクーデターは失敗し、彼らは凍結されたままファントム・ゾーンへと流刑に。ほどなくしてクリプトン星は崩壊。カル・エルの乗った宇宙船はアメリカのカンザスに着陸する。