そのお相手が、俳優の木村了。
現在29歳の木村了だが、10年ほど前には話題作の中でたびたび見かけた記憶がある人も多いのではないだろうか。
映画デビューは藤原竜也の弟役!
木村了の映画初出演は、2004年の「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」。藤原竜也が歌舞伎町で暗躍する暴力団組員役として主演をつとめたが、彼が面倒を見ている大事な弟で、難病と障害を抱える少年を演じたのが当時10代の木村だった。バイオレンスと純愛のコントラストが印象的な映画の中で、物語のキーとなる難役だ。
繊細な病状と知的障害をリアルに演じきり、藤原竜也と並んでも遜色のない存在感を発揮した木村。「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」では岡本綾、酒井法子といった、なかなか話題性のあるキャストが脇を固めている映画だが、あまり語られることがないのが残念だ。
抗争の描写がなかなかグロテスクな一方、家族愛や男女の純愛を描く展開には突っ込みどころも多いが、実力派俳優たちの演技力は光っている。木村はその後もたびたび、尊敬する人として藤原竜也の名前を挙げているようだ。
市原隼人主演の「WATER BOYS2」でも好演!
「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」とほぼ同時期、木村了が初出演したドラマが「WATER BOYS2」。言わずと知れた大ヒットシリーズだが、この「2」には特に豪華キャストが揃っている。
主演の市原隼人をはじめ、中尾明慶、小池徹平、ヒロインには石原さとみ、その中で主要な「ウォーターボーイズ」の一員を演じたのが木村だ。社長の息子でありながらシンクロ部に入部するという個性的な役どころだったが、濃く端正な顔立ちに、キザだが憎めない金持ちキャラ、というのは相性がよく、その後演じる役の方向性を定めるきっかけとなったのではないだろうか。
人気ドラマでつぎつぎ名脇役を演じた
「WATER BOYS2」で好スタートを切った木村は、その後も人気ドラマにつぎつぎと出演することになる。
「ヤンキー母校に帰る~旅立ちの時 不良少年の夢」(2005年、TBS系)、「のだめカンタービレ」(2006年、フジテレビ系)、「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」(2007年、フジテレビ系)、「オトメン(乙男)」(2009年、フジテレビ系)など、学園モノの中で個性派な名脇役として存在感を発揮してきたようだ。
「帝一の國」にも出演
今年菅田将暉の主演でヒットした映画「帝一の國」だが、2014年、2016年に上演された「帝一の國」の舞台版で主演・帝一役を務めていたのが木村了だった。古屋兎丸の描く「帝一」のビジュアルに、はっきりした目鼻立ちの木村の顔は瓜二つと言ってもいいほど。
ちなみに映画版では先輩の堂山圭吾役としても出演している。
「塩顔」ブームの今、その逆を行くようなルックスではあるのだろうが、他にない存在感を放ってきた木村了はまだまだ現役。まだ29歳なので、30代を迎えてますます個性的なキャラを確立し活躍していくのではないかという予感がある。
(空町餡子)
※文中の画像はamazonより木村了 sun [DVD]