「速水もこみち」にも劣らない?イタリア人のオリーブオイル使いすぎ事情


先日、記事を書くためにオリーブオイルについて調べていたら、ある情報が目に止まった。それは「某イケメン俳優がオリーブオイルを使いすぎている」というもの。
言うまでもなく速水もこみちさんのことで、自身が料理人として登場する『MOCO'Sキッチン』でのオリーブオイル使用量がスゴイことになっているらしい。

ふむふむと読み進めていくと、料理によっては「使い切っちゃうかもな、まるまる一本」とか言いながら鍋の中に一本全部投入してみたり、「オリーブオイルの量が多すぎる」と問題視する意見が放送倫理・番組向上機構(BPO)に寄せられたりと大変な人気を評している様子。ネット上ではコラ画像やパロディ動画まで作られるなど、ちょっとしたブームになっている感がある。

見ていくと確かにオリーブオイルの使用量は多いようだが、考えてみるとイタリアでもオリーブオイルは頻繁に使用されていることに思い当たった。本場イタリアではどんな感じで使われているのか、紹介してみたい。

お皿の上で料理に回しかける


定番はやはり料理に回しかけるという使い方。イタリアでは出された料理に塩や胡椒をかけて自分好みに味を変えるのは特に失礼にあたらないため、同じ感覚でパスタやリゾットなどに回しかけて食べる。
こうすることで料理にオリーブオイルの風味が加わって美味しくなる。
一皿に対して使う量は人それぞれだが、よく言われるのは「食べ終わった時に皿にオリーブオイルが残っていれば入れすぎ」というもの。入れすぎにならない目安は軽くひと回しくらいだろうか。

1回に使用する量は速水もこみちさんには到底及ばないが、パスタのほかリゾットやスープ、ピッツァなどにも使っていて、料理ならだいたい何にでもかけているんじゃないかという印象。レストランでも、テーブルの上に塩や胡椒と一緒にオリーブオイルを置いている店は多い。

何もない時にパンにつけて食べる


小腹がすいたけど何もない時は、小皿にオリーブオイルと塩を入れてパンにつけて食べても美味しい。イタリアでは行儀が悪いこととされているので、レストランなどではできないが、自宅なら気にすることなくいける。
むしろ、新鮮なオリーブオイルなら止まらなくなるほど美味しかったりする。

ちなみに、パニーノ(サンドイッチ)を作る時に具材とパンの間に垂らしたりするのもよくやる方法。パンがぱさぱさにならずに、しっとりと美味しくいただくことができるようになる。

喉が痛い時はスプーン1杯のオリーブオイル


風邪を引いた時の民間療法はどの国にもあって、納得できるものから不可思議なものまでさまざま。イタリアならオリーブオイルに絡んだものがあるんじゃないかと思って探してみたら、本当にあったので紹介したい。

その方法は、喉が痛い時にスプーン1杯のオリーブオイルを飲むというもの。医学的に効果が実証されているのかどうかは定かではないが、油により喉を保湿するのが目的だと思われる。
喉が痛い時にスプーン1杯のハチミツを舐めるのと同じようなものかもしれない(ハチミツの場合は殺菌が主な目的のようだが)。
ちなみに、油を飲むことに抵抗がある人もいるかもしれないが、スプーン1杯くらいなら意外と抵抗なくいける。風邪を引いた時は試してみてはいかがだろうか。


お酒を飲む前に少量を飲んでおく


自分の話をして恐縮だが、筆者はあまり酒が強くない。だけど、イタリアのバーなどで出てくるカクテルはとても強い。飲むのは好きだが、何杯も飲むとすぐに酔っ払ってしまうので困る。
そんな話を友人にしていたら「飲む前にちょっとオリーブオイル飲んでおきなよ」と言われたことがある。え、それどういうこと?

話を聞いていくと、オリーブオイルを飲むことで胃の中に膜ができるからたくさん飲んでも酔っ払わないのだとか。その友人だけの常識かと思ったら、二日酔い防止のためよく知られた方法なのだそうだ。
一度試してみたが、飲んでいるうちに結局酔っ払ってしまったので、個人的には効果のほどは実感できなかった。ただ、イタリアではよく知られているとのことなので、一度試してみる価値はあるかもしれない。

というわけで、パスタやリゾットなどの料理から効果のほどが不明な民間療法まで、イタリアではさまざまな用途で使われるオリーブオイル。
逆に言えば、それだけ日々の暮らしに浸透しているということのなのかもしれない。特にパンにつけて食べるのはおすすめなので、いいオリーブオイルが手に入ったらぜひ試してみてほしい。ほんとに止まらなくなるほど美味しいので。

(鈴木圭)