
ついつい食べ過ぎてしまいがちなお正月。「正月太り」という言葉があるくらいなので、姿見を見たり体重計の乗って「ヤバいな……」と思ったりしている人も多いはず。今回の内容は「あ、それ自分のことだ!」と思ったそこの君にこそ読んでほしいになっている。

そもそも本当に“太った”のか!?
暴飲暴食しがちであること、そして運動が不足することで「正月太り」が起きるとされているが、そもそも“本当に太った”のだろうか? 「いやいや、体が重いと感じているし、実際に体重計の数値は増えた」と言う人もいるだろう。だが、まずは体脂肪が増えたのではなく、体内の水分量が増えただけという可能性を疑ってほしい。
人の体は糖質や塩分をたくさん摂取すると、水分をため込むようになる。いわゆる「むくみ」というやつだ。体は血液の塩分濃度を一定に保とうとする性質があるため、塩分を摂りすぎると塩分濃度を調整するために体内の水分量を増やすとイメージすると分かりやすいだろうか。糖質も水分と結びつく性質があり、1gあたり約3gの水分と結びつくと言われている。300gの糖質が水分と結びつけば1kg近く体重が増加することになる。
さて、ここでお正月に食べた食事を思い出してほしい。まずはおせち料理。「普段料理を作っている主婦に正月の三が日くらいは休んでほしい」といった背景を持つだけあり、塩分や砂糖をたっぷり使用し保存が効く工夫が施されている。
1週間程度の暴飲暴食で“激太り”は難しい
まあ、暴飲暴食を続けていれば体脂肪がついて太ってしまうケースもある。とはいえ、人間の体の原理からいえば、体脂肪が1kg増えるには一日の消費カロリーに加えて、7000kcalを“余分に”摂取しないといけない。普段は2000kcal摂取している人が「お正月だから」といって1.5倍のカロリーを摂取していたと仮定しよう。すると3000kcal摂取することになり、1000kcal余分になる。それを1週間続けてやっと体脂肪が1kg増える計算だ。しかも、君の消化器官がバッチリ働き、きちんと消化吸収していることが前提となる。体脂肪を1kg増やすのって、結構大変なのだ。
そう考えると、正月太りの正体は恐らくむくみと多少の体脂肪増加のハイブリッドのパターンが多いだろう。こうやって考えてみると、どこかつかみどころのなかった「正月太り」が意外と大したことがないと思えてこないだろうか。慌てることなく、バランスの取れた正しい食生活に戻せばいいのだ。
食べ過ぎた翌日の断食は絶対NG!
「慌てる必要はない」とお伝えしたのは、太ったと感じたときに過激なダイエットをやる人が多いからだ。特に食べすぎた翌日は断食に走る人がいる。これは絶対におすすめしない。3大栄養素のひとつであるタンパク質は体にとって欠かせない存在で、食事によって十分なタンパク質が摂取できないと体は筋肉を分解して補給しようとする。脂質を十分に摂取しないとホルモンが生成できず、ホルモンバランスの乱れにもつながる。栄養バランスを無視して断食などしてしまっては、筋肉が落ちてしまう上に健康も害してしまうのだ。

筋肉はカロリーを効率に消費してくれるダイエットの強力な味方である。筋肉が減ると活動代謝が落ちる。代謝が落ちれば、“太りやすく、痩せにくい体”に仕上がってしまう。
断食でいえば、無理に食欲を抑制していると、その反動でドカ食いにつながる可能性もある。筋肉が落ち代謝が落ちた状態で大量のカロリーを摂取すると……。ダイエッターは一度は経験しているであろう大リバウンドだ。しかも、痩せづらい体になっているので次のダイエットではもっと苦労する。
というわけで、正月太り解消に限らずいかなるダイエットでも断食という手段はおすすめしない。地味かもしれないがバランスのいい食事をすることに尽きるのだ。
この「バランスのいい食事」というのは人それぞれ違ってくる。何をどれくらい食べればいいのか、その辺りの情報をわかりやすくまとめた過去の記事があるのでぜひ参照してみてほしい。
(Testosterone)