産婦人科で”若い女性”に注がれる偏見の目「たかが生理でピルを飲むなんて甘え」
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産婦人科で偏見の目にさらされた女性の体験がTwitterに投稿され、共感の声が集まっている。産婦人科にいるのは同性の患者たちなのに、“若い”という理由で「中絶しに来たのでは?」との心ない言葉をかけられるという。


“若い女性が産婦人科に通う=中絶”?


投稿者は若い頃、生理不順と重い生理痛に悩み、産婦人科でピルを処方してもらっていた。それだけなのに、若い女性が産婦人科に来院したという状況だけで注目され、「正直かなり居辛かった」のだそう。「若いのに無闇に行為をするからこういう所にこなきゃいけなくなる」「お腹の子に罪はないのにねぇ」「これだからゆとり世代は責任感がないから嫌だ」といった、中絶を想像していると思われる声が聞こえてきたのだという。

目的がピルの処方だと知ると、今度は「世の中不妊治療をして苦しんでいる人がいるのにどうしてわざわざ子供が産めないようにするんだろう」「ピルを飲んだら妊娠しないからってきっとゴム無しで遊びまくるんだよ」「わざと妊娠出来ないような事をする人は本当に子供が欲しい時に出来なければいいのに」と、避妊を目的にピルを飲んでいるかのように言われた。

さらに、投稿者と看護士の会話から、生理痛のためにピルを飲んでいるとわかった女性たちからも、「たかが生理でピルを飲むなんて甘えだね」「私達が若かった時は生理痛でも休んだりしなかったのに」と言葉を交わす患者もいたようだ。

自分に向けられたこれらの言葉に対し、投稿者は「産科ならまだしもここは産婦人科。婦人科を受診してるかもしれないのに」「何でそんなひねくれた考えしかできないの?」「生理痛の痛みは人それぞれ。まったく痛みのない人もいれば入院しなくてはいけない人もいます」と、同性ですら若い女性の産婦人科受診についてまったく理解してくれない状況を嘆いた。そして最悪「心の中で思っていたとしても口には出さないで欲しかった」と結んだ。

理解してくれない同性……「制服のとき目線が嫌でした」


投稿に対して、生理が重く生理不順だという人から「決めつけるのはやめて欲しい」と共感する声が多く寄せられたほか、「制服で産婦人科行ってた時も目線が嫌でした」「いまどきの子は薬に頼ってばっかりで自分で改善しようとか思わないのかねと言われました」など、自身も産婦人科に行った際に似たような体験をしたという声も多く上がっている。

もちろん、産婦人科にいる女性たちは、妊娠をして幸せな気持ちの人ばかりではない。子供を授かりたいのに授かれないことで不妊治療を行なっている人もいる。そうした人たちの悩みや苦しみは想像を超えるものがあり、周囲の状況に過敏になってしまうのは理解できる。
それでも、偏見が正当化されるわけではないだろう。男女間で共有できない感覚があるのはたびたび話題に上るが、デリケートな問題は同性でさえ相互理解は難しいという現実があるようだ。

(HEW)
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