
転職してきた人に「メールを送る際は宛先欄を役職の高い順に並べて送らないとマナー違反だ」と指摘されたというツイートが、昨年9月に話題になりました。ビジネスメールの送り方は会社や相手方によっても変わるものですが、どこまで気にするべきなのでしょうか。
メールの宛先は役職順にすべき?
結論から言うと「メールの宛先は役職順に並べる」が正解です。
「そこまで気にする必要ある?」「ちゃんとメールが届けば良くない?」という声も理解できますが、例えば職場で使う議事録などでは、いまだに出席者の序列は役職順に書かなければなりません。
「メールの宛先を役職順に書く」ことは、会議室で上座・下座を区別して座るのと同じことです。なぜ上座・下座という概念があるかというと、「上位の人に敬意を示すことで、下位の人がへりくだる」という形を作ることで、目上の人への礼儀を保つことができるからです。礼儀や秩序を保つ人は社会から信頼され、良好な人間関係を構築することができます。
年代が上の方ほど特にこういったことを気にする傾向にあるので、メールの宛先は役職順に並べておいたほうが無難なのです。
メールがマナー違反になっていないかの判断基準
上下の隔たりがない会社だったり、プライベートでも仲の良い相手に送ったりするのであれば別ですが、少しでも迷う場合は基本に忠実に送ることです。
ビジネスメールの書き方の基本をおさらいしておきましょう。
1.宛先のメールアドレスを確認(3回)
2.宛名は相手の社名、部署、氏名(フルネーム)を書く:いただいたメールに返信するときには名前の後に「様」をつける
3.件名は短く、わかりやすく
4.文面は「あいさつ」から始まり「結び」で終える
5.結論から伝える
6.誤字、脱字がない
7.敬語や言葉遣いを正しく
8.見やすいレイアウト:一行一文で30文字以内、長くても2~5行で改行、ブロック単位で改行、行間は一行、また要件が2つ以上になる場合には「1.○○の件 2.○○の件」などとする
9.添付ファイルのサイズや利用の仕方を考慮し相手に確実に送る
10.Re:は1つにする
また、メールの返信はメールを受け取った当日か翌日で、すぐに対応できないときには「○○までに回答します」などと言うメールを送る
以上がビジネスメールを送る場合の基礎知識です。
慣れるまではこれらを箇条書きにしたものをデスクに貼るなどして、送信する前に確認する習慣をつけるようにすると良いでしょう。
宛先の順番よりも気をつけたいこと
一番してはいけないミスは、宛先の記載順よりも「誤送信」です。一気に会社や本人の信頼を失います。個人情報や極秘資料が外部に漏れるなどのミスを絶対にしないように注意します。
そのためには送り先の確認を「3回」する習慣をつけましょう。またCC、BCCの使い方の間違いも厳禁です。
・正しい例
担当者はTO:○〇 〇〇様
関係者はCC:〇〇 ○○部長 〇〇 〇〇課長(役職順)
BCC:
(注)BCCに入れる人をCCに入れない。また、CCやBCCに宛名を書く際には自社の者を相手の宛名の前にしない
その他、宛先がアドレスだけになっている時には、その前に宛名を書き加えるなどということも忘れないようにしましょう。
そのほかの注意点としては、会社名や宛名などの誤字、数字の間違い、文面や内容の間違いなどです。しかしなんといっても致命的なミスは「誤送信」です。十分に気を付けましょう。
このように決まりの多いビジネスメールですが、あなたの仕事がうまくいき「未来のできるビジネスマン」となるきっかけは、「知らない」より「知っている」ことで始まると覚えておきたいものです。
プロフィール

トークナビ 永田之子
サンミュージックプロダクションに所属後、高橋圭三プロダクションに移籍。アナウンサーとしてバラエティー番組の司会やラジオのナビゲーターなどを務める。その後独立し「トークナビ」を設立。代表となる。