中国「ビリビリ動画」NASDAQ上場 ニコニコ動画とどこで差がついたのか
「bilibili」サイトより。

動画共有サイト「bilibili」の運営元が中国現地時間の3月28日、アメリカのNASDAQ(ナスダック)市場に上場した。日本では「『ニコニコ動画』と『bilibili』はどこで差がついてしまったのか…」と話題になっている。


「bilibili」と「ニコニコ動画」の差


「bilibili」は、2009年に設立されたファンサイト「Mikufans」を前身としており、KADOKAWA・DWANGOが運営してきた「ニコニコ動画」の影響を強く受けている。「ニコニコ動画」の最大の特徴ともいえるコメント投稿機能もそのまま踏襲しており、「中国版ニコニコ動画」などとも言われてきた。

しかし今回ナスダックに上場したのは、いわゆる“本家”と呼ばれる「ニコニコ動画」ではなく「bilibili」。3月29日に掲載された「ASCII.jp」の記事によると、bilibiliの時価総額は約3344億円で、ドワンゴの親会社カドカワの時価総額は773億4300万円だという。そのため日本のユーザーの間では、「bilibili」と「ニコニコ動画」の“差”について様々な意見が交換されている。

まず多いのは「そもそも基本的なサービスの質に差がある」という声。初期の頃は「ニコ動のパクリ」などと言われていた「bilibili」だが、最近では「画質が段違いに『bilibili』の方がいい」「『bilibili』はシークバーを好きな位置に動かせるから快適」「会員登録しなくても動画を見れるのがニコ動との違い」と評価されている。

一方で「ニコニコ動画」には、単純な「動画視聴サイトとしての快適さ」に疑問が投げかけられてきた。昨年11月には新サービス「niconico(く)」の発表会が行われたのだが、サイトの基本性能向上には触れられておらずユーザーからは大ブーイング。ドワンゴの代表取締役会長・川上量生さんは後日、「我々運営が積極的に取り組まなければいけない基本的な部分がおざなりになっていた事、ユーザーの皆さんの不便や不満点に十分目を向けてられていなかった事について改めて深くお詫びさせて下さい」との謝罪文を掲載している。

中国では「二次元経済」が加熱!?


その他「bilibili」と「ニコニコ動画」の違いについて、ネット上では「そもそも国の人口が違うし、市場規模に差があるのでは?」「bilibiliって収益のほとんどがゲームコンテンツらしいし、ニコ動とは土俵が違うでしょ」「ゲーム会社『テンセント』の後ろ盾が強い」といった声が。

また近年中国では漫画やアニメといったカルチャーが若者を中心に加熱しており、「二次元経済」という言葉もできるほど。大手企業も続々と「二次元経済」の関連事業に出資していることから、「動画サイトうんぬん以前に、日本はオタク文化の熱気も中国に負けてる」との指摘も少なくない。

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