ラインハルト「翌日には卿はその目で実績を確認することになるだろう。それでは納得できないか?」
「銀河英雄伝説 Die Neue These」(→公式)がはじまった。
原作の著者は、田中芳樹。
壮大な宇宙歴史小説だ。
1982年に第一巻が刊行。
正伝が全十巻。外伝全五巻。
累計1500万部の大ベストセラー。
アニメ化、コミック化、ゲーム化、実写化、舞台化、講談化、浪曲化。
メディア展開もとどまるところをしらず。
SF書評家の大森望は、こう書いている。
「“日本SF最大の”とか“スペースオペラ史上最高の”とかの枠をはるかに超え、日本語で書かれたエンターテインメント小説としては最大級の(もしかしたら史上最大の)成功をおさめている。」(今夜読みたいSF 〜 大森望 〜)

そして、再びアニメ化である。
制作はproduction I.G。
監督は、石黒昇監督版アニメ『銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌』に演出として参加した多田俊介。
三国志好き、「ゲーム・オブ・スローンズ」にハマった者、『キングダム』好き、「レンズマン好き」、スペースオペラ好き、歴史好き、アニメ好き、声優好きは、ぜひ観るがよい(銀英伝ファンはもちろん観る)。
ファーストシーズン12話を4月から6月まで放送。
セカンドシーズンは4話ずつ全3章に構成して、2019年に映画館でイベント上映する予定。
セカンドシーズンで終わる長さではないのでその後のシーズンもあるだろう、あるはずだ。
オープニング。
雪道を走る馬車シーンからはじまって、「あれ? チャンネル間違えたか?」と驚く。
その上空を通り過ぎる巨大戦艦。
「ここに描かれたことごとが、あなたの知っているモノに近く、
あなたの知っている人に似ていたとしても
それは歴史の偶然であり必然である」
とナレーションが入って、主題歌、タイトル。
第1話「永遠の夜の中で」。
本編がはじまると原作に忠実な展開で、安心した。
もちろんアニメにするにあたってのアレンジは施されている。
キルヒアイス(CV:梅原裕一郎)が回想するラインハルト(CV:宮野真守)の出会いは、省略された。
ヤン・ウェンリー(CV:鈴村健一)側の描写も、1話には入れなかった。
これは端折ったのではなく、次回、すこし時間をもどしてヤン・ウェンリー側を描くのではないか。
つまり、アニメ版の1話は、「アスターテ会戦」をラインハルト・フォン・ローエングラム側からビビットに描いた。
回想シーンも入れず、「緊迫した今」として戦いを描く。
これが良かったと思う。
壮麗さと緊張感を保ちながら、シャープな第1話になった。
艦隊戦シーンのクオリティも高く、ワクワクしながら観た。
最後に、ムーア中将(CV:櫻井トオル)のセリフを。
「いや、おれは無能であっても卑怯者にはなれん」
次回も楽しみだ。(テキスト/米光一成)
『銀河英雄伝説 Die Neue These』キャスト、スタッフ、主題歌
【キャスト(吹替)】
ラインハルト・フォン・ローエングラム:宮野真守、ヤン・ウェンリー:鈴村健一
ジークフリード・キルヒアイス:梅原裕一郎、ユリアン・ミンツ:梶裕貴、パウル・フォン・オーベルシュタイン:諏訪部順一、ウォルフガング・ミッターマイヤー:小野大輔、オスカー・フォン・ロイエンタール:中村悠一、ナレーション:下山吉光
【スタッフ】
原作:田中芳樹(東京創元社刊)、監督:多田俊介、シリーズ構成:高木登
キャラクターデザイン:菊地洋子 寺岡巌 津島桂、総作画監督:後藤隆幸、特技監督:竹内敦志、メカデザイン:竹内敦志 臼井伸二 常木志伸、オリジナルメカデザイン:加藤直之、音楽:橋本しん(Sin)
オープニングテーマ:「Binary Star」SawanoHiroyuki[nZk]:Uru、エンディングテーマ:「WISH」ELISA
監修:らいとすたっふ、企画協力:ROOFTOP、制作協力:徳間書店、製作協力:DMM pictures、製作:松竹・Production I.G
『銀河英雄伝説 Die Neue These』動画は下記サイトで配信中
・Amazon Prime Video