
ロックバンド『LEGO BIG MORL』のヤマモトシンタロウさんによる、新作映画のレビュー連載がスタート。精力的に音楽活動をしている一方で、実は映画も大好きだというヤマモトさん。記念すべき第一回は、小説家・薬丸岳さんによる衝撃の問題作を映画化した『友罪』についてレビューしてもらった。
「心を許した友は、あの少年Aだった。」

生田斗真×瑛太のW主演で5月25日から公開となる映画『友罪』。2016年に公開され話題となった映画『64―ロクヨン―』の瀬々敬久監督がメガホンを取ったということで、これはもう重厚な作品となっている匂いがプンプンするぜ! と察知し、観に行って参りました。
映画『友罪』のストーリー

町工場で仕事仲間として知り合う、元週刊誌ジャーナリストの益田(生田斗真)と、素性が不明な鈴木(瑛太)の二人。他人にめちゃくちゃ心を閉ざしまくって関わろうとしない鈴木が、益田から鈴木が自殺してしまったら悲しいと、言われたことをきっかけに、だんだんと“他人”から“友”へと距離を縮めていきます。うん。いいことだ。
しかし! あることから17年前に起こった児童殺害事件の“罪”を犯した少年Aが鈴木であると益田は知ってしまうのです。アイヤー!
その他にも、元AV女優の過去がある美代子(夏帆)、鈴木の施設での母親代わりだった白石(富田靖子)、息子が自動車事故で被害者を死亡させてしまった山内(佐藤浩市)など、それぞれにとっての“罪”をそれぞれが“今”どう抱えどう生きていくのかが描かれて行きます。
「大小に関わらず世の中の誰もが罪を抱えている」

そうです。なんとなくわかっていましたが、『友罪』はすごく重たいテーマですね。鑑賞中にも目を背けたくなるようなシーンが結構出てきます。それはきっと生きて行く中で大半の人が経験していないことであると同時に、今後経験する可能性が誰しもにあることだということです。目を背けたくなるということは=皆が蓋をしたいこと。自分には関係ないと思いたいことなんだと思います。
この作品は単に“友人が犯罪者だったけど信じることができますか?”ではなく、“罪と呼ぶものにどう向き合うか”。そういうことなんだと思います。
「ワイは犯罪とかそういうのしたことあらへんで!」。わかっとります。ここでいう“罪”とは安易に法に触れるようなことだけを指すものではないです。
誰かを言葉で傷つけたり、誰かの些細な幸せを壊してしまったり、過去に行ったことをすごく後悔したり、善かれと思って行った行動が裏目に出たり。何を“罪”と感じるかは人それぞれです。そう思うと世の中の人誰もが罪を抱えているのではないかと思います。人には言えない、言いたくないことは皆持ってるのではないしょうか。いや、絶対持ってるね! 誰かが買った冷蔵庫のプリンを勝手に食べても罪ですかんね!
「俺が自殺したら悲しいと思える?」

これは鈴木が益田に向かって問いかける、劇中の印象的な台詞ですが、僕は友達に聞けないなぁ、と思いました。そりゃあ悲しいとは答えてくれると思いますが、なんだろう……それが本当の“悲しい”なのかどこかで疑ってしまいそうな自分がいます。人間、誰かと気持ちを完全に共有することはほとんど不可能に近いです。だからこそ“信じる”ということは困難であり、尊いことなのだと思います。
僕はミュージシャンで、歌を届けることで、聴いてくれる誰かにとってその曲がプラスに働くものであってほしいと思っていますが、自分では気づいていなくとも、時にその曲が誰かを傷つけたり、不幸にしたりする可能性も潜んでいて、そういう意味では、僕ももしかすると知らず知らずの内に音楽で罪を犯しているかもしれません。
『友罪』は明確な答えのない複雑な内容がテーマです。ただそれを倫理的、論理的に描くのではなく、人が“それをどう思い”“どう感じるか”という人間の根幹部分にシンプルに問いかける映画です。
信じることは難しくても、信じたいと願うことは、きっと誰かを救うことに繋がっていくことなんだと僕は思います。
文:ヤマモトシンタロウ(LEGO BIG MORL)
<プロフィール>

ヤマモトシンタロウ
ロックバンド『LEGO BIG MORL』のリーダーでベースを担当。最新曲「一秒のあいだ」が映画『デメキン』の主題歌に起用される。5月からは全国ツアー『LEGO BIG MORL 〜Acoustic & Rock〜 TOUR 2018 「月と太陽」』を開催。
https://www.legobigmorl.jp/
https://twitter.com/chin_taurou
映画『友罪』一般試写会へご招待【終了】
映画『友罪』の公開を記念して、抽選で5組10名様に5月16日(水)にニッショーホールにて行われる試写会へご招待致します。
・日時:5月16日(水) 18:00開場/18:30開映
・会場:ニッショーホール
・ご招待数:5組10名様
※ご当選者には当選ハガキを後日お送りいたします。
※当選者ご本人を含む2名様のご招待となります。当日は招待状を必ずお持ちください。
※満員の際は消防法によりご入場をお断りいたします。予めご了承ください。
※開映後のご入場は堅くお断りいたします。
応募方法は下記の通り。
(1)スマダン(@suma_dan)の公式ツイッターをフォロー
(2)下記ツイートをリツイート
応募受付期間:2018年4月20日(金)13:00~2018年5月4日(金)12:59まで
#LEGOBIGMORL ヤマモトさんによる新作映画のレビュー連載がスタート!
— スマダン (@suma_dan) 2018年4月20日
今回は #生田斗真 さん #瑛太 さん主演映画『#友罪』を紹介いたします。
さらに、抽選で5組10名様を一般試写会にご招待!
応募は@suma_dan をフォロー&このツイートをRT
★記事&プレゼント詳細は⇒https://t.co/an326jeR3y pic.twitter.com/jZs2uioQUT
※非公開(鍵付き)アカウントに関しては対象外となりますので予めご了承ください。
※当選者様へは、5月7日(月)にスマダンアカウント(@suma_dan)からダイレクトメッセージをお送りいたします。その際、専用フォームから送付先に関する情報をご入力いただきます。
※当選した方に入力いただく情報はエキサイト株式会社がプレゼント発送に使用するものです。また、提供された個人情報は、同社サービスに関する連絡に限定して利用されます。
※5月8日(火)までに返信をいただけなかった場合は、当選無効とさせていただきますのでご了承ください。
皆さんのご応募をお待ちしております!
(スマダン編集部)
作品情報
映画『友罪』
5月25日(金)全国ロードショー
出演:生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市
監督・脚本:瀬々敬久
原作:「友罪」薬丸 岳(集英社文庫刊)
配給:ギャガ (c)薬丸 岳/集英社 (c)2018映画「友罪」製作委員会
公式サイト:http://gaga.ne.jp/yuzai/