忘れられらんねえよ柴田「これからは俺一人でみんなを引っ張っていく」　梅津卒業ライブが終幕

2018年2月2日、2人組ロックバンド・忘れられらんねえよの梅津（B）が脱退を発表した。脱退を発表した際に梅津は「自分がこのバンドでできることは全てやりきった」とメッセージを発している。梅津は今後も音楽活動を続ける予定で、柴田隆浩（Vo/Gt）は忘れらんねえよを続けていく。

そんな梅津が忘れられらんねえよとしての最後のワンマンライブ"忘れらんねえよ 10周年&梅津卒業ワンマン「サンキュー梅ックス」"が、5月1日Zepp Tokyoにて行われた。忘れられらんねえよ初のZepp Tokyoでのワンマンのチケットは即日ソールドアウト。会場は多くのファンが集まり、現体制最後の彼らのステージを待ちわびていた。

会場が暗転し、突如流れ出した[Alexandros]の“ワタリドリ”。忘れられらんねえよのライブではお馴染みのSEだ。後ろから柴田が登場し、『思いっきり笑えよー！　思いっきり騒げよー！　思いっきり泣けよー！』と叫び観客のいるフロアへなだれ込むようにダイブ。いつも通りの柴田のテンションだが、投げかけられた言葉にグッときて、今にも涙が出てきそうだ。ステージに柴田が到着すると、梅津、そしてサポートメンバーのマシータ（ex. BEAT CRUSADERS、ex. NATSUMEN）、タナカヒロキ（LEGO BIG MORL）が登場。全員でSEXYポーズを決めたのち、“ゾンビブルース”からライブがスタートした。

“僕らチェンジザワールド”、“あなたなんだ”で初っ端から会場の熱気を上げていく。今夜限りの「梅津」「メンバー」のコール&レスポンスが鳴り響くなか、梅津のギターソロが勢いを増す。『今日、人生で一番良いライブがしたいんだよね』と柴田が告げると、“この街には君がいない”、“ドストエフスキーを読んだと嘘をついた”、“美しいよ”といった名曲を立て続けに披露した。ライブの定番ソング“スマートなんかなりたくない”では大きなシンガロングが巻き起こり、踊る観客の振動でフロア全体が揺れている。


梅津に所縁のあるゲストボーカルとしておとぎ話の有馬和樹（Vo/G）と牛尾健太（G）が登場。『素晴らしい日々を俺たちは過ごしてきた、それを曲にのせて歌います』と柴田が告げ、“俺たちの日々”をプレイ。続けて第二弾ゲストでは、爆弾ジョニーよりロマンチック☆安田がステージへ。忘れられらんねえよ曰く、キーボードよりもギターの才能も長けているという安田は“うつくしい人”で圧巻のパフォーマンスを見せつけ、会場を盛り上げた。

中盤では、梅津が学生時代に作ったという思い入れのある1曲、“紙がない”が披露された。今回のライブ、この曲も含めてきっと感動の嵐に違いないと思っていたが、寂しくて泣いているというよりは、思いっきり笑顔で楽しんでいる観客の姿が印象的だった。『いや～楽しい。すげー楽しい。こんなハッピーになるとは思わなかった』と柴田が言うと、梅津も『10代の頃から柴田と音楽を始めて、いまも気持ちは10代のままなんだよね』と当時と変わらぬ想いでライブを楽しんでいることを明かす。





ひとつひとつ、曲が終わっていくなかで柴田は『梅津くんとはこれっきりだろうな。全然実感湧かないや。でも明日の朝になって気づくんじゃないかな。だから泣くのは明日でいい。この夜は二度と来ないから楽しもう』とオーディエンスに呼びかけ、投下されたのは"ばかばっか"。毎度お馴染みのパフォーマンスとなった会場後方までビールを買いに行って、イッキ飲みを見せた。忘れられらんねえよのとんでもないテンションに、負けず劣らず観客も勢いよく飛び跳ねる。フロアからのクラップで始まった"この高鳴りをなんとよぶ"から、"ばかもののすべて"と"明日とかどうでもいい"を立て続けに披露し、本編を終了した。

迎えたアンコールでは、バンドメンバーから一人ずつ梅津への感謝の言葉が伝えられた。そして柴田は『最初は（梅津が辞めることが）絶対嫌だって思った。でも梅津くんはロックバンドが大好きなのを俺が一番知っている。一緒にバンドやってこれたのがすっげーおもしろかったから、俺はこれからも一人で忘れられらんねえよでおもしろいことをやっていくよ』と話すと会場はスマホとライトに照らされて、観客との大合唱が印象的だった"忘れらんねえよ"が演奏された。"まだ知らない世界"を魂込めて歌い上げると、一人ずつ梅津と熱いハグを交わし、ステージを後にするのだった。






全編終了後のステージでは、忘れらんねえよの次回ワンマンライブ『YouTuberになればモテると聞いた』を発表。梅津脱退後、初となるライブは7月9日に渋谷クアトロで行われる。柴田は後日、自身のTwitterで＜やっぱクアトロがロックバンドのスタート地点だと思うから。もっかいクアトロから物語を始めるんすよ。＞と呟いているように、忘れられらんねえよのまた新たな一歩が、渋谷クアトロから幕を開ける。


取材・文／日野綾

＜セットリスト＞
01.ゾンビブルース
02.僕らチェンジザワールド
03.あんたなんだ
04.この街には君がいない
05.ドストエフスキーを読んだと嘘をついた
06.美しいよ
07.中年かまってちゃん
08.体内ラブ～大腸と小腸の恋～
09.スマートなんかなりたくない
10.バレーコードは握れない
11.俺たちの日々
12.うつくしいひと
13.そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか
14.紙がない
15.俺の中のドラゴン
16.バンドやろうぜ
17.北極星
18.CからはじまるABC
19.ハナノユメ
20.サンキューアイラブユー世界
21.花火
22.俺よ届け
23.愛の無能
24.ばかばっか
25.寝てらんねえよ
26.犬にしてくれ
27.いいひとどまり
28.この高鳴りをなんと呼ぶ
29.ばかもののすべて
30.明日とかどうでもいい
EN1.世界であんたはいちばん綺麗だ
EN2.バンドワゴン
EN3.忘れらんねえよ
EN4.まだ知らない世界

公演情報

忘れらんねえよ 渋谷クアトロワンマン
『YouTuberになればモテると聞いた』
日時：7月9日(月) OPEN 18:30 / START 19:30
会場：渋谷CLUB QUATTRO
受付URL：http://w.pia.jp/t/wasureranneyo/

・オフィシャルHP：http://www.office-augusta.com/wasureranneyo/
・ユニバーサルミュージック・忘れらんねえよHP：http://www.universal-music.co.jp/wasureranneyo/
・オフィシャルTwitter：http://twitter.com/wasureranneyo