『花より男子』新シリーズ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS・火曜10:00〜)第4話。

一緒にバッティングセンターやもんじゃ焼き屋に行って、ますます距離が縮まった江戸川音(杉崎花)と神楽木ハルト(平野紫耀)。


そこに、ハルトのことが好きな女・真矢愛莉(今田美桜)がやってきて……。前回から引き続き、愛莉大暴れの巻。

今田美桜ちゃんのサイコお嬢様っぷりがスゴイ


音が隠れ庶民であることを暴露し、庶民狩りを煽っていた張本人である愛莉が、これまでのことを謝罪したかと思ったら「愛莉と友達になってくれる?」と、いきなりフレンドリーモードに。

もちろん、「……と見せかけて」音を陥れる気マンマン。「親しくなった学校の女友達はだいたい裏切る」という『花男』からの伝統的お約束パターンだ。

しかし、愛莉……というか今田美桜ちゃんのフレンドリー演技が絶妙なのだ。

C5の仲間である平海斗(濱田龍臣)に「音もしゃべったら結構いい子でさぁ……」と語ったり、ツッコミ合っている音とハルトを、微笑みを浮かべながら見守る愛莉の姿は、「ああ、ホントにハルトのことは吹っ切れたのね〜」と思わせるに充分。音だけでなく、視聴者もまんまと手玉に取られてしまったことだろう。

そうやって心を許したところで、音は罠にハメられて冷蔵室に閉じ込められちゃうんだけど。

友達になったふり、悪意を全開にした顔、サイコパスのような高笑い……それぞれを巧みに演じ分けていたもんで、最終的に、音に対してホントに心を開いた後も「まだ何か企んでるんじゃないか、コイツ!?」とゾワゾワさせられてしまった。

愛莉を演じている今田美桜ちゃん、『僕たちがやりました』の生徒役や、『民衆の敵』で高橋一生が入れ込んでいたデリヘル嬢役など、ちょいちょいドラマでは見かけていたものの、特に印象には残ってはいなかったのだが、今回の愛莉役はなかなかのハマリっぷり。

お人形さんみたいにカワイイ超・お嬢様だけど実はヤベエ女……という役柄にばっちりマッチしたということか。
「花のち晴れ」4話。影が薄すぎるC5…5人中3人の顔と名前がまだ覚えられない!
イラストと文/北村ヂン

平野紫耀くんの演技は……相変わらず!


さて、愛莉の策略にまんまとハマッて冷蔵室に閉じ込められてしまった音だったが、冷蔵室の奥には、これまた愛莉に騙されて閉じ込められた馳天馬(中川大志)が。

冷蔵室の中での天馬も、相変わらず王子だった。


自分の方が先に閉じ込められていて寒いハズなのに、音に上着をかけてやり、グイッと抱きしめて……。

その様子は隠しカメラでバッチリ中継されており、スクリーンに映し出してハルトに見せつける愛莉。

愛莉がこんなに荒ぶっているのは、音がどうこうというよりは、全然自分のことを相手にしてくれないハルトに対するいらだちの方が大きいのだろう。

「そうやって怒って愛莉の名前呼べばいいんだよ。無視されるよりその方がずっとマシ。愛莉を恨んで!」

ハルトに対する歪んだ愛情を見せる愛莉だが、原作ではもっと露骨に「もっと(ハルトが)傷つけばいいのに」「傷ついて私の前であんなふうにまた泣けばいいのに」と、ハルトを傷つけることがメインの目的であると明かしていた。確かに好きな女(音)が婚約者(天馬)と、

「音をひどい目に遭わせたヤツらに腹が立って仕方がないのに、音と一緒にいられることが嬉しい」

「天馬くんは私の初恋の人、この気持ちはずっと変わることがない」

なーんて言い合ってイチャイチャしている映像を見せられたら、そりゃあ傷つくってもんだろう。

とことん王子様な天馬。トラブルに天馬を巻き込んでしまったことを悔やむ音。そして愛莉のサイコなお嬢様っぷり。三者三様の力の入った演技でグイグイとドラマを盛り上げていくのだが、この様子を見て一番感情を揺り動かされているハズのハルトは……ザ・棒演技!

他の3人がこれだけ喜怒哀楽をごちゃ混ぜにして感情をむき出しにしているのに、怒ってるんだか悲しんでるんだかよく分からないハルトの能面芝居は何なのだ!?

高まる感情を内に秘めた……という高度な演技をしている可能性もあるけど。

演技が硬いのか、そういう演技プランなのか分からないが、「愛莉のことを昔からの仲間として大事に思いつつも、異性としては見られない」微妙な感情が全然伝わってこなくて、ハルトが、ただ単に女の子にヒドイ扱いをする男に見えてしまう。


全方位に不器用なハルトを応援したい気持ちとともに、相変わらず平野紫耀くんの演技も応援したくなってしまう。

もっとがんばれ、名も知らぬC5メンバー


何だかんだで、ひどい目に遭わされた相手に対しても一生懸命になる音の活躍で、愛莉が本当に心を開いて一件落着。

ところがそこへ、新たなるライバルとして、人気カリスマモデル・メグリン(飯豊まりえ)が登場!

原作では、間違って女湯に入ってしまったハルトがメグリンの全裸を見てしまうというラッキースケベなシチュエーションで登場していたのだが、さすがにそれは地上波のドラマでは難しかったのか……。そこがメグリン最大の見せ場だっただけに残念! 今後、ラッキースケベ以上の見せ場はあるのだろうか?

ところで、飯豊まりえちゃんは確かにカワイイんだけど(『キョウリュウジャー』のキョウリュウバイオレットも好きでした!)、人気カリスマモデル役としては薄めの顔なので、今田美桜ちゃんが大暴れした後の登場だと、若干モデル感が薄く感じてしまった。カワイイ……カワイイんだけどね。

そして、薄いといえば、ハルトと愛莉以外のC5メンバーの影も薄すぎる!

海斗役の濱田龍臣くんは、実写版『怪物くん』でヒロシ役をやっていたので認知できているものの、あとの2人はキャラも薄いこともあり、まだ名前も覚えられていない!

『花男』における「F4旋風」を起こすためには、C5の影薄メンバーも、もうちょっと活躍させてあげた方がいいんじゃないだろうか?
(イラストと文/北村ヂン)

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