連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第15週「すがりたい!」第88回 7月12日(木)放送より。 
脚本:北川悦吏子 演出:橋爪紳一朗

88話はこんな話


出会って6日、ロミオとジュリエットより一日多いが、鈴愛(永野芽郁)は涼次(間宮祥太朗)と結婚することにした。

いっそ結婚しませんか


雨のなかで踊って上がっちゃったテンションの勢いでか「いっそ結婚しませんか」とプロポーズする涼次。
出た、「いっそ」。

「半分、青い。」の世界では、一時期の「ぶっちゃけ」みたいに人気ドラマで人気俳優が「いっそ」を使って以来、気軽に使う人が続出しているというような設定でもあるのだろうか。
それとも、涼次が「いっそ」を使うと、鈴愛は律(佐藤健)を思い出し、ついついプロポーズを「了解致した」しちゃったのか。

あとでわかるが、鈴愛は4年に一度くらいのチャンスを逃してはいけないと思ったようだ。
小・中・高・大・就職というような人生計画的にそろそろ結婚、出産をしたかった。
そこへ涼次が現れたのだから、もう手放せない。

ただの甘いだけの


雨の中で踊った鈴愛と涼次は“赤”が基調の服装だった。“青”ではなく、“赤”。夏虫色でもなく、“赤”。
鈴愛と涼次は新たな赤のフェイズにいる・・・と思ったら、鈴愛の涼次の印象は「青く透き通るような声」。やっぱり“青”だ。

結婚すると鈴愛から報告されたユーコ(清野菜名)とボクテ(志尊淳)。ボクテは「ただの甘いだけの男ね」とばっさり。
鈴愛は涼次の顔のことばかり語り、その涼次は雨のなか踊ったせいで風邪を引いて寝込んでいた。
一方鈴愛は全然丈夫。先が思いやられる感が漂い、それはどんどん濃厚になっていく。
「結婚ってお金が要るんですか?」などとすっとぼけている涼次。
「東海のほうは派手だっていうぞ結婚式」と元住吉(斎藤工)は心配する。
鈴愛が「ソーダ水」に涼次を例えれば、涼次は鈴愛を「弾むボールみたい」「弾むのが尽きない」と例える。  
顔はいいが話題が面白くなく女性にモテないらしい涼次だったが鈴愛といるとうまく話せるらしく、なんだかふわふわしているふたりはどことなく波長が合うのだろう。

あの映画やばくない


元住吉もたいがいふわふわしている感じである。
涼次の話を聞いている元住吉は、看病しているようで、おかゆもりんごのコンポートも風引いてる涼次に作らせもぐもぐ食べているだけ。
「おかゆすらうまい」「悪いね結局作らせちゃって」などとなんとも調子がいい。
彼の唯一のヒット作「追悼のかたつむり」の続編をつくりながら、パート2は「パンチなくなるよね」とか言っている。
涼次は必死で励ますが、その台詞は余韻もなく無残に次のシーンに切り替わってしまう。
次のシーンでは、ボクテとユーコがパート1を見ているが、あまり評価していないことが伝わってくる。
ユーコの「あの映画やばくない」の「やばい」はいい意味ではない。

ボクテとユーコは、カルチャーにそれなりに興味があって賞をとって話題の映画を見ているのに、鈴愛は全く知らない。せっかく東京に出て来て、カルチャー、サブカルチャーのシャワーをまったく浴びないとはなんともったいなかったことよ。

愛し殺される


あっという間に、結婚の話が三おば(キムラ緑子、麻生祐未、須藤理彩)にも伝わっている。
親がいなくて“天涯孤独”だった涼次を引き取り、三人で「愛し殺す」勢いで育てたらしい。
その愛に耐えられず、涼次は元住吉のところに転がり込んだ。
鈴愛が涼次に嫁いだら、どうなるんだろう。
電話で結婚すると聞いた晴(松雪泰子)も大仰天。ドタバタコメディの様相を呈して来た。

斎藤工と間宮祥太朗ののんきな会話は楽しめた。ふたりが共演していた「BG 〜身辺警護人〜」のDVD は9月発売。
(木俣冬)

「半分、青い。」88話。斎藤工と間宮祥太朗の会話いいなあ
「BG 〜身辺警護人〜 」DVD-BOX TCエンタテインメント
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