8月17日(金)放送の金曜ドラマ『チア☆ダン』(TBS系列)第6話。
チアダンス部の顧問・太郎(オダギリジョー)が事故に遭い怪我をして入院してしまった。そんなとき、部員の怪我をきっかけに保護者から「チアダンス部廃部」の案が出る。

挫折を経験したからこそできる応援
琴「先生、本当に大丈夫なんやがの?」
麻子「なんでそんなこと言うんや?」
琴「先生の奥さん、なんか暗い顔してた」
太郎が怪我で入院し、Rocketsのメンバーはお見舞いに訪れていた。怪我が大したことがないように振る舞う太郎だったが、実は胸腰椎骨折など複数の損傷があり、退院日どころかリハビリを始められる期間もわからない。Rocketsの前では明るく振る舞っていた太郎だったが、メンバーの琴(志田彩良)は様子がおかしいと気付く。
琴は、太郎がいなくても自分たちで活動できるようにならなければいけないと、後輩への指導も熱心におこなっていた。そんな中、穂香(箭内夢菜)が軽いねん挫をしてしまう。それをきっかけに穂香の父親らが「チアダンス部の廃部」を求めてきた。
穂香とその親の問題であれば、家庭で解決してもらえば良い。しかし、穂香の親は他のメンバーの親を引き連れ、保護者たちの総意というかたちで抗議していたのだ。
今回、最も変化したのは桜沢教頭(木下ほうか)だった。一時は保護者たちの意見を聞き入れ、チアダンス部を廃部にしようとしていた桜沢。しかし、校長の蒲生(阿川佐和子)に廃部の決断を一任され、現・顧問の太郎に話を聞きに行ったことで、心境に変化が表れた。
桜沢は、一度は挫折した太郎がなぜまた教師を続けているのかを聞いた。
太郎「僕は、彼女たちがどこまでも、望むだけ高く飛べるように手助けしたいんです。あの子たちの夢が、僕の夢なので。それで教師をしています」
この言葉で、桜沢は自分がチアダンス部の顧問代理となることを決意する。過去につまずいた経験のある太郎が「生徒の夢を応援したい」という思いでいることを目の当たりにし、桜沢もまた、自分がなぜ教師をしているのかを改めて考えたのかもしれない。
わかば(土屋太鳳)も太郎も、挫折を経験しているからこそ自分のしたいこと・叶えたいことがシンプルに、クリアになった。そして、挫折しているからこそ、くじけずに再び挑戦している姿が人の胸を打つ。つまずいた経験があるからこそ、他者の「自分にもできるかもしれない」という気持ちを呼び起こすのだ。
誰にでも「チア・スピリット」は宿っている
わかば「チアは泣いたらダメなんやよ。どんなときも笑顔で踊って、みんなを応援して、そんで……」
春馬「わかってえんのはお前じゃアホ。本当の笑顔でないと、意味ないやろ。嘘の笑顔で踊っても、誰も感動せんでの。
わかば「ハルも、泣いたんか?」
春馬「経験者は語るや。信じろ」
挫折した人が誰かを励ますという点では、今回の春馬(清水尋也)もそうだった。わかばの幼馴染・春馬は、試合中にデッドボールをしてしまったことから、恐怖心が芽生えてピッチャーをするこおができなくなってしまっていた。しかし、商店街のお祭りでわかばたちRocketsが踊っているのを見て、またボールを投げることにチャレンジし始めている。
本ドラマは、誰もが一度は「挫折」を経験している、または挫折をする世界を一貫して描いていく。どんな人にも触れられたくないような過去や、思い出したくない痛みがある。もしかしてそれを克服できなかったとしても、その姿が誰かを励ましている。
次回、第7話では季節は春に移っている。わかばたちは3年生になり、最後の大会に臨むことになるだろう。
これまでの話を見てきて「全米制覇」「打倒JETS」という大きい夢が本当に叶うのかとても心配だった。あおい(新木優子)というコーチがついたけれど、今の状態のRocketsが全国大会に行く実力をつけることができているのかわからない。
しかし、Rocketsのメンバーたちが言う「全米制覇」「打倒JETS」は彼女たちの目標であり、ドラマの目的ではないのかもしれない。
「全米制覇」「打倒JETS」という目標が、ドラマにとってどんなポジションになるのか。クライマックスに近づきつつある、本日放送の第7話。よる10時からだ。
(むらたえりか)
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▼放送情報▼
金曜ドラマ『チア☆ダン』
TBS系 毎週金曜よる10時〜放送
出演:土屋太鳳、石井杏奈、佐久間由衣、山本舞香、朝比奈彩、大友花恋、箭内夢菜、志田彩良、オダギリジョー、佐生雪、溝口恵、福地桃子、堀田真由、伊原六花、足立佳奈、石崎なつみ、坂ノ上茜、守屋ことり、八木莉可子、阿川佐和子、木下ほうか、高橋和也、紺野まひる、松本若菜、本多力、森矢カンナ、木原勝利、広瀬すず、新木優子
原作:映画『チア☆ダン』製作委員会
脚本:後藤法子、徳尾浩司
プロデューサー:韓哲
協力プロデューサー:高山暢比古
演出:福田亮介、金子文紀
製作著作:TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/cheerdan_tbs/