議事録ツール「GIJI(ギジ)」は会議にどんな効果をもたらすか
(画像はイメージ)

株式会社アジャイルウェアによるオンライン議事録ツール「GIJI(ギジ)」は、会議の最中に議事録作成が終わるツール。現在1,000人規模の企業から全社導入するための要望もあるという。
期待が込められるこのツール、具体的にどのように会議の効率化につながるのか探ってみた。

GIJIとは?


議事録ツール「GIJI(ギジ)」は会議にどんな効果をもたらすか

GIJIは、会議の議事録をオンラインで簡単に共同作成できるツールだ。会議中にその議事録を作りながら会議を行えば、事後に議事録をあらためて書いて提出する「宿題」もなくなる。

議事録ツールはすでに使い古されている感があるが、GIJIが新しいのは、オンライン上で共有できることから、自由自在に簡単にリアルタイムで複数人が共同編集、そして確認・承認作業ができるところにある。

まるでパーツを入れ替えるように、内容を改変、構成変更などができる。

議事録ツール「GIJI(ギジ)」は会議にどんな効果をもたらすか
GIJIの画面


GIJIは会議をどう効率化する?


GIJIは会議のどの部分をどのように効率化するのだろうか。アジャイルウェアの担当者は次のように話す。

「議事録は従来、会議が終了してから作成するものですが、GIJIでは議題をあらかじめ書き込み、会議を進めながら議事録を作成し、会議終了とともに議事録作成も終了します。それによって以下の3つを効率化できます」

1.議事録の確認・承認のムダを効率化
「会議終了後には全員が合意できる議事録を会議中にリアルタイムで作成するため、終了後の確認・承認の手間を省くことができます」

2.議論が脱線するムダの効率化
「会議中に出席者全員がアジェンダを確認しながら進行するため、議論があらぬ方向に脱線する手間を省き、会議時間を短縮することができます」

3.清書と共有のムダの効率化
「会議中にリアルタイムで作成し、会議終了時に議事録が完成するため終了後に改めて清書・共有をする必要がありません」


タスク連携機能で会議中にタスク化も可能!


GIJIは、ただ議事録を記録できるだけではなく「タスク連携」の機能もあるという。

●タスク連携とは?
「タスク連携には、1.GIJI上での連携と、2.プロジェクト管理ツールRedmineとのシステム的な連携の2種類があります。
1のGIJI上のタスク連携というのは、ToDo管理のような使い方ができるので、エンジニア以外の職種の人たちのリアルの営業活動などでのタスク連携、という意味合いです。
2は管理ツール上のお話です。会議を経て新たに取り組む課題をツール上でタスクとすることができ、この作業を会議中にも行うことができます。会議と同時にタスク化して進行することで業務効率化につながりますし、個々のタスクの状況をGIJIで確認することができるようになることで、職種のカベを取り払うことにもつながります」


GIJIの同時編集 バッティングの可能性は?


ところで、GIJIを実際に使用するのをイメージしてみると、次のような不安が出てきた。それは、複数人で同時編集することで、収拾がつかなくなったり、「一度変えたのになぜまた変えるんだ」などと喧嘩になったりしないかということだ。

「弊社では喧嘩にはなったことがありません。
会議スタートとともに出席者全員が一斉に入力をするわけではなく、基本的には書記、議事録担当が決まっていてその人が書いていきます。発言者とは違う人がメインで書いていき、他の人が修正・改善するので、入力での衝突や収拾がつかないということにはなりません。ただし、入力しようとしていることがバッティングすることはありますので、将来的には『○○が入力中』など、状況の可視化についてアップデートを検討しています」


GIJIの社内コミュニケーションへの効果


議事録ツール「GIJI(ギジ)」は会議にどんな効果をもたらすか
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GIJIは、議事録共有ツールでありながらも、チーム内で一歩進んだ情報や認識の共有ができそうだ。実際、社内コミュニケーションの円滑化やリモートワークの効率化にもいい影響が得られているという。

●大手システムインテグレータ企業
GIJI導入により、リアルタイムで共同編集し、終了時にその場で確認することにより、議事録の合意を得るまでのリードタイムの削減、会議のアジェンダを事前に設定できることで会議の目的を明確にできること、Redmineとの連携によりタスクの起票を楽にできることなどのメリットを感じている。さらに議事録を必要としない打ち合わせにも使える可能性があることから、ナレッジの蓄積にも役立つのではないかという期待を持っている。

●各種設計製造開発販売企業、パーカーコーポレーション
会議の趣旨や結論によっては、参加者のうちの上位者が直接入力できることで、内容を明確化できること、会議や打ち合わせの合意と結論をその場でとることができるため、若手や中堅が書いている、その場で議事録のとり方の指導を行うことも可能であること、遠距離との会議でも議題を明確にして会議を遂行できることなどのメリットを感じている。


その他のGIJIの効果


そして業務効率化や社内コミュニケーション改善以外にも、GIJIは次のことに役立つのだそうだ。

●一つ一つの発言が残ることでアイデア創出の可能性を失わない
「通常の会議においては、30秒前、1分前に言ったことは音声として流されてしまうことがあります。その点、GIJIを使った会議では発言がテキストとしてGIJIに残ることで、一つ一つの発言が新たなアイデアが生まれる可能性を失うことなく、発言がいわば会議における資産になっていきます」

●議事録の改ざん防止になる
「2018年7月に新たに追加された『変更履歴』機能によって誰がどの発言もしくは編集をしたのか、ひと目で分かるよう履歴として記録される点です。この機能は、議事録の改ざん防止にもなります」


GIJIは今後、次のような機能追加の予定があるという。

「近い将来、全文検索、Slack連携に加え、エンタープライズ向けの管理機能として大企業の会議体に対応したフォルダの階層化などを予定しています」



【取材協力】株式会社アジャイルウェア
アジャイル開発により価値を素早く提供する、Rubyのスペシャリストが集まる会社。お客様の声とRubyの力でプロジェクト管理ツール「Lychee Redmine」とリアルタイム議事録作成ツール「GIJI」が誕生。
提供するアジャイル開発は、繰り返しの開発により、お客様のご意見を最大限、システムに取り入れていく。一度納品して完了ではなく、納得いくまでシステムを改善しご満足いただけるシステムを目指している。

(石原亜香利)
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