
政府が主導する「働き方改革」の影響で、副業を解禁する企業が増えています。今回は、副業をするときに考えるべきポイントや、おすすめできない副業、本業に生かせる副業はどういうものなのか解説します。
やってはいけない副業とは何か?
みなさんは副業というとどんな仕事をイメージしますか?
学生の頃に経験したコンビニ、ファミリーレストラン、牛丼チェーン店の店員でしょうか。ECサイトでハンドメイドの作品を販売したり、サイトやブログを運用してアフィリエイト収入を得たり、自作の動画を公開して稼ぐユーチューバーでしょうか。
「もし副業を認められるとすれば何がやりたいですか」と質問をすると、多くの人が「やりたいことは特にない。とにかく稼げる副業がしたい」と答えます。
しかし、気をつけてほしいのは「やってはいけない副業がある」ということです。
やってはいけない副業は2種類あります。
1つ目は、自分にとっての時間価値がどれぐらいかを考えていない副業です。
時間価値は以下のポイントで考えてください。
・時間単価
たとえば本業の時間単価は、総支給と手取りをそれぞれ就業時間で割ると算出できる
・機会損失
もし副業をしなかった場合、その時間を使ってどんなことができたか(どれほどの収入が得られたか)
2つ目は、本業を失ってしまう可能性のある副業です。多くの企業が副業を認めてこなかった理由は、本業に影響があると困るからです。
こちらは以下のポイントで考えます。
・本業の競合になる
いわゆる利益相反です。副業が本業の競合にあたる場合、自分の社内だけでなく取引先にも影響を与えてしまう可能性があり、信用を失ってしまいます。
・健康を害してしまう
長時間労働になってしまい、十分な休息時間がとれずに体調を崩す。その結果、遅刻、欠勤になる。また、事故を起こしてしまたり、ケガをしたりしてしまう。
本業に影響が出ると本来の仕事を失ってしまいますので、こういった副業はしてはいけません。
「将来につながるか」が副業選びのポイント
上にも述べた、「やってはいけない副業」をもう一度整理します。
(1)時間価値を考えていない副業
(2)本業を失ってしまう可能性のある副業
これらを考えたうえで、副業としておすすめなのは下記のような副業でしょう。
・デスクワークなどで人と接する機会が少ない場合は、対人スキルが上がる接客業などの仕事
・大学生と一緒に活動することで若者の心理や若者の消費動向がわかるなど、新卒の採用活動やマーケティングに活用できる仕事
・高齢者ビジネスを理解し、ニーズを把握するために役立つ介護事業所での副業
・人脈が広がり、本業に役立つコミュニティーの問題解決などを行う活動
そして、もう一歩踏み込んで考えてほしいのは、今の仕事だけでなく、今後の仕事に生かせるかどうかです。
現代は、副業や起業、在宅勤務など、働き方を自分で選べるようになりました。それゆえ、今の会社、今の仕事を未来永劫続けていくとは限りません。また、人生100年時代、定年退職をした後も人生は長く続きます。
将来を考えると「今後の仕事に生かせるかどうか」を、副業を通じて考えることはとても大切です。
「自分の人生で、どんなことに価値をおいていますか?」「本当にやりたいことは何ですか?」
自分自身に問いかけて、よく考えてほしいと思います。
プロフィール

IMソリューションズ株式会社 岡本陽
伝統のある企業や中小企業、ベンチャー企業、プロフェッショナル集団など多数の異なる文化や制度、目的意識を持つ組織で管理職・責任者の経験があります。人事面採用の面接官、社員研修講師、管理職を育成した経験をもとに、集団部下育成プログラムを理論的に体系化した『管理職育成メソッド』を提供しております。