ムラサキスポーツのショップ袋がなぜか流行した90年代
メルカリで売買されるショッパー

時はまもなく西暦2019年になろうとしている。筆者はどちらかといえばファッションに疎いほうだが、歴史は繰り返すと言うように、どうやら昨今90年代ファッションがブームらしい。


筆者が青春時代を過ごした90年代に流行したファッションアイテムのひとつに、ショップ袋がある。ショップで買い物をしたときに商品を入れてもらうアレだ。

ショップで商品を買うと入れてもらえるちょっといいビニールバッグ


90年代にバッグの定番だったのは吉田カバンのPORTERだったと記憶しているが、その一方で同じくらいに人気を集めていたのが“ショップ袋”、通称ショッパーだった。手提げタイプの袋ではなく、紐が通されており、袋口を絞ってワンショルダーバッグのように斜めがけできるよう進化したものだ。このスタイルのショッパーは10代を中心に大流行した。

通学も遊びも、肩掛けショッパーがバッグ代わりに


お金のない若者にとって、このショッパーは自身のステータスを大きく上げる魔法のアイテムだった。たとえブランドアイテムを持っていなくても、袋を背負うだけで“わかってる”感が出せたのだ。

単に休日のワンポイントファッションにとどまらず、通学など制服でもおしゃれ感をアピールできる貴重なアイテムとなった。
とはいっても、通学時の袋の中に入っているのはおしゃれとは程遠い体操服だったのだが…。

おしゃれ派とスポーティ派


ショッパーの中でも特に人気の高かったのが、全面がイエローで覆われたザ・おしゃれの代名詞「ヒステリックグラマー」と、スポーツ少年少女のジャージにもよく似合うと好評でパープルとグリーンがほどよい爽やかさを演出してくれた「ムラサキスポーツ」だ。加えて耐久性に優れた「ビームス」のショッパーも多くの学生を虜にした。

2000年代に突入すると、あれだけ流行ったショッパースタイルを見かける機会はウソのようになくなってしまった。90年代ファッションのブームに乗じて、また多くのショップから肩掛けショッパーが流行すると、今の若者に加えて懐かしさから当時若者だったアラサーアラフォー男女にも通じるブームになりそうな気がしないでもない。

(空閑叉京/HEW)