脚本:福田 靖
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

41話のあらすじ
神部(瀬戸康史)から世良(桐谷健太)が闇市に塩を流していたのではないか疑惑が持ち上がった。
友達を信じたい萬平(長谷川博己)だったが、さらにもうひとつ疑惑が。福子(安藤サクラ)と男(真一〈大谷亮平〉)が闇市を歩いているところを、たちばな塩業の若者たちが見かけたというのだ。
萬平は福子のことで頭がいっぱいに……。
闇市、要注意
闇市は多くの人が行き交う場所。
出会いもあれば、目撃もある。どこで誰に見られているかわからない。
世良を見かけた小松原(前原滉)が神部を通して、彼が塩を闇市で売っているのではないかと萬平に進言するが、萬平は世良を信じ切っている。「僕の友達を悪く言うな!」と。
なんでそんなお人好しキャラに描くのかもどかしくなるが、そこはドラマ。
結局、鈴(松坂慶子)が専売局に電話で確認したところ、かます8個で1600円だったことが判明する。
当の世良はのんきに靴磨きをしてくれた少年に高い金額を払っている。貧しい少年に優しいところで少し印象をよくしようということだろうけれど、たちばな塩業の若者も貧しいのに……。
世良の行為の是非を考える間もなく萬平に別な問題が起こる。
福子の浮気疑惑だ。
忠彦(要潤)の体調が思わしくなく、心配で大阪に出向いた福子。
福子に頼まれて、真一も香田家にやって来て、共に忠彦を説得し、その帰り、福子とぷらぷら歩く。
真一のことを知らない倉永たちは浮気じゃないかと萬平に余計な報告をするという流れ。
「まんぷく」は前からレビューに書いているが、無理くりで突っ込まれそうなところには巧妙にほかの問題を差し込んで有耶無耶にするきらいがある。ひとつひとつの出来事を深く追求する気はなくて、たくさんのイベントを起こして話を進めていくのは朝ドラらしいといえば、らしい。そのごまかし方がうまい作家が重宝されるということだ。大事なのはスピード。勢い。無になること。脚本を書きたいと思っている人は参考にしてみてほしい。
忠彦さん復活
食事もしないで休まず絵に没頭する忠彦を、みんなが心配する。
萬平も仕事に没頭するタイプでそれが幸せであることはわかるという福子。でも、芸術家であると同時に、夫であり、父であることをやめないのなら、ちゃんとそこも引き受けないといけない。
「本人が幸せでも家族には心配する権利があると思います」(福子)
「忠彦くんはやっぱり克子さんやタカちゃんたちに支えてもらっているんだよ」(真一)
妻を亡くして独り身の真一が言うから説得力がある。真一を連れてきた福子はなかなか目の付け所がいい。
手鏡でどんな顔になっているか見るよう福子に勧められて、ひどくやつれた顔を見た忠彦は、
「いい夫でいい父親でいい絵描きになる」と忠彦は思い直す。
やりたいことのために家族をもたない人がいてもいいし、家族のために生業を変える人がいてもいい。
やりたいことが家族に支えてもらってできるのならそれもいい。ただそうであるなら、家族を安心させることも忘れてはならない。
朝ドラでは、仕事か家庭か両立か、つねにその問題がつきまとう。「まんぷく」では、仕事も家庭も、自分のやりたいことと家族を幸せにすることを両立させることを描いている。萬平の発明の目的な人を幸せにすることで、最終的には福子も鈴も幸せになるのだろうから。
気が早いが、鈴が左うちわになるまで描かれるだろうか。貧しいうちに亡くなってしまわずに、お金持ちになってオ~ホッホッホ!と贅沢三昧しているところを見たい。
さて。
妻の“浮気疑惑”といっても、相手は真一。そんな予兆はこれっぽちもなく、真一を知らない若者たちの勘違い。視聴者に安心のシチュエーションで、見せ場はいかに萬平が滑稽な芝居をするか。長谷川博己が大変だ。
(イラストと文/木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
「まんぷく」と同じく安達もじり演出週。紀夫くんから手紙が!
嬉しさと切なさが絡まるドラマチックなターン。
41話
「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
相撲でおやすみ