即興のラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』5th season Rec 6-3(→公式、→テレビ朝日、→Abema)。
Road To Dungeon 2018チャンピオン小池潔宗(→@yoshi22nori)。
「かみさんが喜ぶ結果になればよい」と語る子沢山の小池さん。
迎え撃つモンスターは崇勲((→@sukun4951now))。
崇勲「裏で般若さんにフリースタイル仕掛けんな 順序間違えんな」
これに対して小池「どこに順番が書いてある」と
豪快な理屈を吐き出す。
さらに、ステージの下に般若がいたから「素通りして挨拶もなしかラッパーの礼儀を知らねぇのか」
お互い、はっきりとした滑舌、明解な日本語を使う真正面からの勝負。
崇勲「そんな礼儀 踏み潰していくのかB-BOYだぜ」
そして「(順序が)書いてないとわかんない? 小学生か」。
3対2でモンスター崇勲の勝利。
第2ラウンドも先攻を取る小池さん。
「ヘソで茶を沸かす カス ここで分からす これ久しぶりのヤツ 突き刺す 久しぶりのヤツ」
9forとの対戦のヤツが再び!(→「フリースタイルダンジョン」親のスネかじってるくせに言うことだけは立派ですね:4th season Rec 5-2)
モンスター崇勲クリティカルで勝利。
続くチャレンジャーは、視聴者リクエストで登場のミステリオ(→@shinchan4s)。
煽りVで、輪入道(→@rap_wanyu)を「強そうなお豆さん」と言い、
輪入道は登場するやいなや「誰がお豆だこの野郎」とメンチ切る。
輪入道、バトルの最初のフレーズも「誰がお豆だこの野郎」。
ミステリオ、戯画化して「誰がお豆だ」とマネてから「おまえだよーー」。
会場側を向いて、わっと体をスウェイしたら、輪入道にぶつかる。
これは意図的なボディタッチではなく、「ぶつかった」かんじ。
輪入道「でも ダメだよ ボディタッチしたら減点だ」
3対2でチャレンジャーのミステリオが勝つ。
ところがラウンド2の2ターン目。
ミステリオ「モンスターやめて働け自動車工場」と〆たあと
輪入道のターンになったとたん、ミステリオの胸ぐらをつかむ。
ミステリオ、ビビりながらも、ピースサインをかます余裕。
(Twitterで“『ミステリオ、ビビりすぎ!』見たいなコメントが多々見られますが、誰でもビビるわ!笑”とつぶやいてた)
「これでもうボディタッチ 俺はお前の胸ぐらから手離さねぇ」
いや、輪入道さんに胸ぐらつかまれて、これ言われたら、そうとう怖いと思うのだが、
ミステリオ、自分のターンになると
「これ あれちゃうん 3回ボディタッチしたから何もせんと勝てるんちゃうん俺」
と言い放ち、ぴょんぴょんとジャンプして何も言わないタイムを敢行。
さらに、また「お豆さーーーん」とにくたらしい口調で言う!
さらに最後に「まぁ俺も減点ぐらいしとくわ」と言って、軽く輪入道の肩にポンと手を置く。
どんだけ度胸あるんだ。
前代未聞のバトルになった。
ラウンド2は、Lillyさんがモンスター、他4人がチャレンジャーで、チャレンジャーの勝利。

輪入道が敗退。
ボディタッチの減点が、審査にどう影響したのか説明はない。
Lillyさんが、3度のボディタッチをしたモンスターの勝利と判定したのかも語られない。
審査講評でも「ボディタッチうんぬんよりも」と語られる。
このあたり番組的には明確にしたくないのだろうか。
何を言ってもいい空間というルール無用のイメージこそが立脚点としてある。
だからこそ、差別を跳ね返すムーブメントにもつながった。
MCバトルとマナーの問題は難しい。相性が悪い。
だが、ボディタッチが減点というのは、ルール無用の空間で明示された数少ないルールだ。
どのように減点され、審査にどう影響を与えているのか、明確な説明があってもよかったのではないか。
ラップバトルにおける無法とマナー、問題勃発の回であった。(テキスト/米光一成 イラスト/まつもとりえこ)