FTISLAND、入隊前最後のファンミーティングで笑顔満開 「また、笑顔で会えるように」

韓国出身の5人組ロックバンドFTISLANDが、2月15日、神奈川県・パシフィコ横浜国立大ホールで『THE PRIMA TV SHOW starring FTISLAND』を開催した。これはFTISLANDにとって入隊前最後のファンミーティングで、大阪、岐阜、神奈川の3都市で6公演を行ったが、最終日となる横浜公演は、平日にも関わらず3階席まで満員の盛況を見せた。ここでは、昼公演の模様をレポートする。

今回のファンミーティングのコンセプトは、ライブとトークで構成されるアメリカのTVショー。華やかな呼び込みのアナウンスを受けて、ミンファン(Dr)、スンヒョン(Gt)、ジェジン(Ba)、ジョンフン(Gg)の順にゴージャスなオペラカーテンの登場口から出てくると自分のポジションへ。最後にホンギ(Vo)が、「アメリカのTVショーだから、NYの雰囲気を出そうと思って大阪でベーグルを持って出てみたらカッコよくなかったから、今日はパリジャンの雰囲気にしてみました」とフランスパンとコーヒーと共に登場。「Here We Go!」という彼の号令を発すると、「Go again」でミニライブは幕開け。続けざまにタイトなベースが特徴的な「GAME」になだれこめば、すっかり会場はFTISLANDのペースに。ホンギは客席を煽り、ファンは重いリズムに身を任せ、幸せなライブ空間が出来上がる。

演奏が終わると、「今日、横浜に雪が降ったよ！」とトークをはじめるホンギ。「FTISLANDの5人で日本に来るのは5ヶ月ぶり。僕はここ（パシフィコ横浜）でクリスマスにライブをしました。昨日、そのライブをテレビ放送で見たけど、俺、デブだった（笑）」とトークも舌好調。





「みんな、新曲のPV見た？」という問いかけで始まったのは、3月27日にリリースされる9thアルバム『EVERLASTING』のリード曲「God Bless You」。今回のファンミーティングで初パフォーマンスした新曲だ。スピード感あふれる新曲に続いたのは、壮大な印象のロック曲「Hourglass」。サビのフレーズの大きなシングアロングが会場中に響き渡った。

ホンギ曰く「ジョンフンがファンミでこの曲をやれ！」と指定したという「Life」は、「俺らのいろいろな気持ち、いろいろな物語が入っているから、歌いながら喜怒哀楽を表現しよう」というホンギの提案で、ジェジンは自分のパートを笑顔で歌唱。サビでは「笑顔で！」とか「泣きそうな顔で！」と客席にも感情を指示したり、ファンミーティングならではの楽しい演奏を聴かせてくれた。

ライブパートの最後を飾ったのは、アコースティックギターの響きが優しい「Primavera」。「皆さんは一緒に歌いたいって言うのに、いつもサビしか歌ってないから、今日はサビを僕が歌うので、ほかを皆さんが歌ってください」とファンにムチャぶり。一節だけホンギが歌うと、あとはファンに任せて「いけるやん！」と笑顔を見せる。こういう、ファンと友だちのように遊びながら演奏するのもファンミーティングならではだ。ファンに「いくよ！」と促すホンギの優しい顔も満足気。短いながらも一体感にあふれたライブを見せてくれた。





新曲「God Bless You」のPVでブレイクした後は、ファンミーティングのお楽しみ、トーク＆ゲームに。日本メジャーデビュー以降のCDジャケット写真や懐かしの映像で昔を振り返るコーナーでは、某音楽番組でスンヒョンが披露した原始人のモノマネで会場が大爆笑。最新アルバム『EVERLASTING』の話になると、ジョンフンが「リード曲「God Bless You」は、日本メジャーデビュー曲「Flower Rock」を意識して作りました。僕らはこの後、1年半くらいどこかに行くけれど、メソメソしないで、また笑顔で会えるように、明るい曲にしたかった。みんなに歌ってほしいので、4月のツアーで一緒に歌おう！」と曲に込めた想いを伝えた。

その後は2010年メジャーデビューしてから現在に至るまで発売してきた28枚のシングルとアルバムのジャケット写真を見ながら、その当時のエピソードや初Zeppライブ（2010年）、日比谷野音（2010年）、初武道館（2011年）、初さいたまスーパーアリーナ（2012年）、初FNC KINGDOM（2013年）、一番記憶に残るとコメントしたアリーナツアー『The Passion』（2014年）などの映像とともにこのファンミーティング全6公演を通して振り返ったトークコーナー「Back to the FT」、メンバーの意見や考え方をファンと一緒に当てるトーク＆クイズコーナー「HIGH & LOW」、事前にファンからのアンケートでメンバーのイメージを調査したランキングをメンバー同士で予想するコーナー「FT RANK - KING」、ファンと一緒にペアを組んでFTISLAND楽曲のイントロクイズに挑戦した「FT INTRO-DON」コーナーまで、本格的なTV トークショーと謳ったイベントタイトルに相応しいネタ満載の充実した内容で、メンバーからも「今までで一番楽しいファンミだった」と喜ぶシーンも。




最後にホンギが「4月のライブでは、2010年から現在までの俺らを見せます。ちょっとだけどこかに行くけど、その間にも俺らのことを忘れられないライブにします」とライブへの意気込みを語ると、5人全員でボーカルを執る「Flower Road」を会場のファンと一緒に歌ってファンミーティングの幕を閉じた。

2007年に現役高校生バンドとして韓国デビューしたFTISLANDは、日本でバンド文化を学び、ライブでの演奏力を身に着けた。通訳要らずの日本語を話し、年に2度、ライブハウスからアリーナまでのツアーを行い、ライブバンドとして日本で確固たるポジションを得た。しかし2019年、彼らは韓国男子の義務である入隊を発表している。約2年間、FTISLANDとしてのライブを見ることができなくなるが、最後にアルバムとツアーをファンのために用意してくれている。「また、笑顔で会えるように」というポジティブな言葉通りのアルバム『EVERLASTING』と、4月からの『FTISLAND JAPAN LIVE TOUR 2019 -FIVE TREASURES-』で、彼らの心意気を見届けてほしい。
（取材・文／坂本ゆかり）

セットリスト

1. Go again
2. GAME
3. God Bless You（新曲）
4. Hourglass
5. Life
6. Primavera