メルペイはメルカリを使っていなければメリットはないのか?

メルカリのスマホ決済サービス「メルペイ」が、2月13日にリリースされた。メルペイとは、メルカリの売り上げやポイントを、メルカリアプリからNTTドコモの非接触決済サービス「iD」を利用して支払うことができるスマホ決済アプリだ。


数あるスマホ決済を使いこなすには、ひとつずつ特徴を把握しておくべき。今回はこの新しい「メルペイ」について紹介したい。


メルカリの売り上げをお店で使えるメリット


メルペイはメルカリを使っていなければメリットはないのか?
画像はリリースより

メルペイの特徴は、なんといっても「メルカリの売り上げで買い物ができる」という点。今までは売上げでポイントを購入してメルカリ内で使用するか、銀行口座への振込を申請し、現金化するという方法しかなかったが、決済アプリを介してコンビニなどの店舗で利用できるようになる。

メルカリを使っていなければメリットはないじゃないか、と思われるかもしれないが、メルカリの利用者は日経クロストレンドによると、2018年10月時点のスマホからの利用者数は1800万人を超えている。これはヤフオクのスマホからの利用者数を上回る数字だ。
メルカリの2018年における一人当たりの平均月間売り上げは約1万7千円で、60代以上となると男女ともに約3万円だ(同社調べ)。
メルカリユーザーの多くが利用するとなると、かなりの金額が動くことになる。コンビニなど店舗での買い物に使われていくと考えると、スマホ決済ユーザーの幅が広くなり、お金の流れも変わってくる可能性がある。

今はiOS限定で始まっているが、2月末~3月初めには、Androidにも対応するとのこと。3月中ほどからはコード決済にも対応するとしているので、ますますキャッシュレス化を加速するものにつながっているように思える。
メルペイはメルカリを使っていなければメリットはないのか?
画像はリリースより


チャージもでき、他社サービスとの連携で幅広く利用できる


もっとも使い勝手が良いのは、メルカリで売り上げのある層だと思うが、実は売り上げ以外のお金でも決済が使える。銀行口座から直接チャージをすることでも、メルペイを使えるのだ。チャージ元となる銀行口座を登録すると、メルカリ売上金の振り込み申請の期限がなくなるそうだ。
これも一つのメリットだと思う。また、チャージに対応する銀行として、三菱UFJ銀行が上がっている。これはPayPayも対応していない(2019年2月20日現在)ので、どの決済アプリを使おうか検討するときのポイントにもなりそうだ。

現状はiD決済のみなので、利用できるのは全国90万カ所以上の加盟店。コード決済対応が始まれば、全国45万カ所が加わる予定だ。今後はJCBとは「スマートコード」、KDDI(au)とは4月にサービスが始まる「au PAY」で連携を図る予定もあるそうだ。
Apple Payならメルカリの売上金をメルペイ経由でSuicaにチャージすることも可能となるし、オンラインストアなどでネット決済もできるようになる。

利用できる幅が広いメルペイは、徐々に利用者が大きく拡大していくかもしれない。


自治体への決済にも これからはスマホ決済の主軸になれるか


上記決済のほかに、自治体とのキャッシュレス決済の連携も進めると発表があった。リサイクル、起業化支援、国家戦略特区、キャッシュレス決済の推進などが見込まれているが、税金の支払いは今のところ予定されていない。

このように決済の幅は広く、予定がきちんと実現されれば、どの決済アプリよりも使い勝手が良いものとなり、メルカリの売り上げ利用を目的にするよりも、決済法の一つとして選択され、売り上げはポイント的なおまけのような存在と感じられるように発展するかもしれない。

今後の普及や利便性の様子、その向上など、利用もしてみたいし、動向を見ていきたい、そんな興味の沸く決済アプリだ。

(横山光昭)