「親の夢に振り回されるのは、もうこりごりですよね。だったら、自分のことは自分で守らないと、何もかもお母様に奪われてしまいますよ!」
「世の中は……親孝行を美徳とします。自分もそれにがんじがらめになってました。でも、成人して独立すれば親の人生は親の人生、子どもの人生は子どもの人生なんですよ!」
庭野の話を聞いたすみれは、母の制止を振り切り1人暮らしすることを決意した。庭野も、「家は売ってもいいがお金の半分はもらう」と茂雄に伝えた。
「子は親のもの」という呪縛からの解放
このストーリーが訴えるメッセージは、至極わかりやすい。「家族は助け合わなければならない」「親孝行は美徳」という価値観が、庭野家では親から子への脅迫になっていた。茂雄や幸子が自由奔放に夢を追う日々は、子どもが負う犠牲の上に成り立っている。そんな自分たちの境遇を憂い「自分のことは自分で守らないと、何もかも親に奪われてしまう!」と声を上げた庭野。
自立してお互いを思いやる親子関係と「依存」は全く違う。お互いを個の存在と認識し、その上で尊重し合わなければならない。「子は親のもの」という呪縛から、庭野はこうして解き放たれた。ひずみのある親子関係からの“卒業”だ。
「三軒家チルドレン」からの卒業
唐突に声が出なくなってしまった三軒家。てっきり、夫・屋代大(仲村トオル)の浮気疑惑のショックによるものかとも思ったが、たぶん違う。きっと、あれは一芝居打ったのだ。