『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』観た。サイコーのサイコーのサイコー。

中二の俺の妄想をハリウッドがものすごい予算と技術で映像化したぞ、って映画でサイコーすぎた。
はじまってすぐにゴジラ大登場で、出し惜しみなし。
怪獣の交尾シーン(モザイクあり)もあるし、5分もせずにモスラの孵化シーンでしびれる。
ナウシカみたいに人と獣が交流しようとするシーンもあるが、ちゃんと全然交流できないのがすばらしい。
その後も、氷漬けの怪獣や、ぐわーーーって優雅に翼ひろげるそのしなりの美しさや、キングギドラがガーーーってやってゴジラがガーーーってやり返すのや、ラドン翼でぶわっさって戦闘機まとめてドカンってなるのや、ぶぶぶぶぶぶぶって仮装大賞の得点あがるのみたいになって真っ赤っ赤でどかーーーんってなるところや、天を仰いでゴーーってやるのや、サイコーにかっこいいシーンの連続である。
中2の夢の大傑作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」がサイコーのサイコーのサイコー
興奮さめやらず、ゴジラ特集の『pen+』と『映画秘宝7月号』を買って帰った!

全員が怪獣マニア


ゴジラ、背びれは初代っぽくて、フォルムはプレーリードッグっぽくて、迫力はあるが、ちょいかわいいのもいい。
キングギドラは、神!って感じの怖さで、三つ首それぞれにキャラがあって、いたわりあったりしたりするシーンもすばらしく、キングギドラの首たちでイチャイチャする薄い本できそう。

キングギドラ、モスラ、ラドン、翼あるモノは、翼をひろげて大見得きるシーンが必ずあって、どれもがカッコいい。
マイケル・ドハティ監督は、ド派手ィな怪獣シーンを撮らせると世界一だ。っていうダジャレを言うのも恥ずかしくなくなるぐらいの派手さ。
芹沢猪四郎役の渡辺謙もガッツリ活躍するし、科学者で神話のエキスパートのチャン・ツィィー演じるアリーン・チェンが地味色っぽい。そして、全員が怪獣マニアで、怪獣を愛している。
お父さんも、憎んでるとか言うけど、愛憎こじれてるだけで、もうラブでしょう。

なにしろ主人公が「人類は地球を滅ぼす細菌だから怪獣を目覚めさせるのよ」とか言うて、完全に人類の敵で中二の味方だ。
悪役のボスに人質としてさらわれたのだと思ったら、ボスよりもたちが悪く、不思議な機械で怪獣を次々と覚醒させて、人類を撲滅する。
人間たちは、怪獣の前にひれふしてるばかりで、「綺麗だわー」「録画したかー」とか言い合っている。
そう、怪獣は神なのだ。
主要登場人物は100回ぐらい死んでるはずだけど、都合よく生き残る。自分が死ぬとは考えてない行動も中二だ。
怪獣神を信仰しているから死なないのだろう。死ぬときは無駄な自己犠牲なのも殉死と思えばいいのだ。
人間ドラマっぽいセリフを真剣な顔で脈絡なく言うけど、基本的に人類たちは、いかに怪獣出現をかっこよく見せるかの前振りでしかない。

中二の心にもどって観て


サウンドすばらし。伊福部メロディたっぷりで、お経アレンジもめちゃカッコいい。
欲を言えば、怪獣対決シーンがもう2倍観たかった。

心を無邪気にして、ただひたすら怪獣たちのカッコよさと壮大さにしびれるがいい。
あの神々しさと、トンデモなさは、動く宗教画だ。
なるべく巨大な画面で、中二の心にもどって観てほしい。昇天できると思う。
(米光一成)

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
5/31(金)世界同時公開
マイケル・ドハティ監督 132分 配給:東宝