学生のメールマナーの悪さに怒って「全員、不合格だ」と吠えるツイートをときどき見る。
メールの出し方ひとつで不合格になっちゃたまらない。


ぼくも大学で教えていて、以前は、腹を立てていた。
なれてきたので、「名乗らない」「件名がない」くらいではもう驚かなくなった。
そもそも、学生はもうメールをほぼ使ってない。
ぼくも使わなくなってきたので、学生とは基本LINEでやりとりしている。

だが、まだメール中心の先輩や先生も多い。
相手を怒らせないギリギリのマナーは必要だ。

ところが、メールマナーのサイトを探してみたが良いものがない。
古いタイプのマナーだったり、厳しすぎたりする。

ギリギリ怒られないだろうメールマナー


メールのマナーなど、ほとんどがローカル・ルールだ。
挨拶文を入れる入れない、名乗る名乗らない(学内のメールを使っていれば名乗らなくても分かる)、携帯メールがいい悪いなど、地域や時期や状況で変わる。

そこで、先生や先輩にメールするとき、今どき(2019年7月)これぐらい心得ていれば、ギリギリ怒られないだろうメールマナーをまとめてみた。
これで、怒られるようだったら、相手が不寛容すぎる。
メールうんぬんではなくて、もともと怒りん坊なのだ。

諦めるか、関わらないようにするのがいいだろう。

というわけで、「ギリギリ怒られない今どきのメールマナー」。
イマドキのメールマナーを共有しよう、これでギリギリ怒られない、怒らないで

1:フリーメールは使わない
スパムメールに使われがちなフリーメールは使わない(gmailはだいじょうぶみたい)。
身元不明のアドレスからのメールは排除されることが多々あるので危険。基本的に学校のアドレスや会社のアドレスがあればそれを使うのが良いだろう。

2:件名を具体的に
件名を書こう。
「質問」「課題」「ご依頼の件」といった漠然とした件名ではなく、具体的に書くこと。
特に相手がたくさんのメールを受け取る場合、あとから検索したりするときに便利なように件名を具体的に書くようにしよう。
例:第4回米光ゼミの課題提出
例:6月10日「はぁって言うゲーム2」制作の打ち合わせについて

3:まず名前を書く
まず自分が誰なのかはっきりすること。
LINE等だといちいち名乗らない。表示されるし、誰だかわかってるコミュニティ内でやりとりしているからだ。メールはそうではない。

誰からくるか分からない場合が多いので、冒頭で名乗るといい。
フルネームで書く。所属も明記したほうが良い。
また、学生の場合は、学校に登録している名前で表記すること。
例:学籍番号*****、米光ゼミの山田太郎です。

4:挨拶文は不要
「ご多忙のところ申し訳ありません」「夜分遅くすいません」「いつも授業ありがとうございます」等の挨拶文が必要か不要かはむずかしいところ。

ぼくは、不要派。大学の先生は不要だと言う人も多いだろう。
これ、むかしは付けないと怒られていたマナーなのだが、だいぶ廃れてきた。手紙のときの名残りだ。
とはいえ、付けないと怒る人もまだまだいるので、最初は短く付けるのが無難か。後は相手の返信で付いていたら、挨拶を付けるのを継続。
付けてなければ、ナシで良いだろう。

5:添付ファイル名を具体的に
添付ファイル名を具体的に書こう。学生の場合、内容+名前が良い。内容を示すファイル名だけだと同時に提出している他の人と同じファイル名になって混乱する。添付形式をどうするかは、事前にしっかり確認しておくこと。
例「卒論テーマ・山田太郎.pdf」

6:なるべくメール本文ですまそう
添付ファイルをつけると正式感が増すと思っているのか、メールに挨拶だけつけて、本文のテキストをワードの添付で送ってくる人がいる。添付を開く手間が面倒なだけだ。メール本文ですむことは、メール本文ですまそう。

7:送る前に読み返そう
送る前にメールに書いた文章を読み返そう。送ってからでは遅いぞ。

8:メールには返信しよう
先輩や先生からのメールにはすばやく返信するといい。
質問等に答えてもらった場合は、お礼の返信等をしたほうがいいよ。

以上。

相手のことを想像して


基本的に、「先輩/先生のところには大量のメールが届く」と考えたほうがいいだろう。日に100通ぐらい届くという人も多い。相手がそういう状態であることを想像して、メールを書こう。
相手のことを想像して、気遣うのがマナーの基本だ。
受け取る側も、相手側のことを想像して、簡単に怒りを撒き散らさないようにすることもマナーだ。
へんてこなローカルルールマナーを押し付けるマナー講師の人も多いので、気をつけよう。
*「米光一成の表現道場マガジン」の「教授や先生へのメールの書き方2019」を改稿したものを掲載。
(文・図/米光一成)