浦井健治 「『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は魂の叫び」 7年ぶり待望の日本公演

1997年よりオフ・ブロードウェイで初上演されロングランを記録し世界各地で上演、2001年には映画化され、サンダンス映画祭観客賞、監督賞など数々の賞を受賞、マドンナやデヴィッド・ボウイなど数々のセレブリティ達も熱狂し、舞台・映画共に世界中に一大ブームを巻き起こした『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。7年ぶりとなる待望の日本公演が現在上演中だ。

新ヘドウィグには、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞(2017年)、第22回読売演劇大賞最優秀男優賞(2015年)など俳優として輝かしい受賞歴を持ち、ミュージカル『王家の紋章」「メタルマクベス」など多くの大作舞台の出演を果たす浦井健治が演じ、イツァークには、年齢・国籍・性別非公表の4人組バンド女王蜂のボーカルとして活躍し、近年はミュージカルにも出演するなど活動の幅が多岐にわたるアヴちゃんが参戦する。

浦井健治 「『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は魂の叫び」 7年ぶり待望の日本公演

浦井健治 「『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は魂の叫び」 7年ぶり待望の日本公演

初日前日のゲネプロを前にした会見で、浦井は今作を「ロックミュージカルであり、ストレートプレイのようでもあり、魂の叫びでもある」と称した。そして、「このミュージカルで、何かの殻を破りたい。こういう環境にいれる自分は役者冥利につきるな、と実感しています」と語った。

抑圧されたイツァークを演じるアヴちゃんは、「本業はバンドをやっているのですが、“解放”ということを生業にしていたんだと、今回この役を生きることで、初めて気づきました」とコメント。「生まれて初めて、嗚咽で歌えない」ことも経験したという。

浦井健治 「『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は魂の叫び」 7年ぶり待望の日本公演

浦井健治 「『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は魂の叫び」 7年ぶり待望の日本公演

浦井健治 「『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は魂の叫び」 7年ぶり待望の日本公演

そして『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』という作品について、浦井は「愛ってなんだろう、優しさってなんだろう、色んなことを考えながら稽古場で過ごしてきたのですが、結局自分と向き合うことが重要で、自分からは逃げられないし、そういうことがぎっしり詰まっているから、生身の人間って、こんなに弱い、だけどこんなに強いんだなっていうことと、一人じゃないんだなっていうこと、それが最後、観た後に繋がってくるんだな、と。この作品は、自分にとって殻を破る作品であり、全部出さなきゃいけないという恐ろしさもありますが、それを楽しいと思えるところまで、みんなでもがいていきたいと思っています」と語ってくれた。

ボロボロになりながらも愛を追い求め続けるヘドウィグの魂の叫びに、ぜひ耳を傾けてほしい。『ブロードウェイミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」』は東京公演のあと、福岡・名古屋・大阪とまわり、再度東京でファイナル上演が行なわれる。
浦井健治 「『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は魂の叫び」 7年ぶり待望の日本公演

浦井健治 「『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は魂の叫び」 7年ぶり待望の日本公演


公演情報


『ブロードウェイミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」』
8月31日(土)~9月8日(日)東京・EX THEATER ROPPONGI
9月11日(水)~9月12日(木)福岡・Zepp Fukuoka
9月14日(土)~9月16(月・祝)名古屋・Zepp Nagoya
9月20日(金)~9月23(月・祝)大阪・Zepp Namba
9月26日(木)~9月29(日)東京・Zepp Tokyo

作:ジョン・キャメロン・ミッチェル
作詞・作曲:スティーヴン・トラスク
翻訳・演出:福山桜子
歌詞:及川眠子
音楽監督:大塚茜

出演:ヘドウィグ:浦井健治 イツァーク:アヴちゃん(女王蜂)
Band(THE ANGRY INCH)
Guitar:DURAN Bass:YUTARO Drums:楠瀬タクヤ Guitar:大橋英之 Keyboard:大塚茜

少年ハンセルは、自由の国アメリカに渡りロックスターになるのが夢だった。彼は幼少時に母親からプラトンの魅惑的な「愛の起源」の物語を聞かされる。以来、彼は自分の“カタワレ”を見つけようと心に決める。

ある日、彼は偶然一人の男と出逢う。その男に見初められ、彼との結婚の道を選んだハンセルに待ち構えていたのは、アメリカへ渡るための“性転換手術”だった。しかし、手術を受けたハンセルの股間には手術ミスで「怒りの1インチ(アングリーインチ)」が残ってしまう。

その後、ヘドウィグを名乗り渡米を果すも離婚、ベビーシッターなどをして日々の糧を得つつロックバンドを組むが、なかなか成功への道が見えず生活に追われていた毎日だった。やがて17歳の少年トミーに出逢い、愛情を注ぐようになるヘドウィグだったが、トミーはヘドウィグの曲を盗んでビルボードNo.1のロックスターに上り詰める。

最愛の人に裏切られたヘドウィグは自らのバンド「アングリーインチ」を率いて、ストーカーのようにトミーの全米コンサート会場を追い、スタジアム脇の冴えない会場で巡業する。果たして、自分の魂である歌を取り戻し、捜し求めていた“カタワレ(=愛)”を見つけることができるのか…?



オフィシャルサイト


http://www.hedwig2019.jp
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