さくらしめじ 年末恒例ワンマンライブで挑戦に満ちた2019年を締めくくり

今年の6月に結成5周年を迎えた現役高校生のフォークデュオ、さくらしめじが12月29日(日)に年末恒例となったワンマンライブ「さくらしめじの忘年会『きのこりあんの集い vol.4』」を東京・光が丘IMAホールで行なった。

さくらしめじは、2015年12月29日に同じくIMAホールにて、キャリア初のワンマンライブ『森のきのこの音楽会~さんきゅう2015、うぇるかむ2016~』を開催。
翌年からは『きのこりあんの集い』と題し、毎年、同じ日に同じ会場で行ってきた恒例の忘年会ライブで、今年で4回目。当日の来場者からのリクエストで決まるスペシャルなライブとなっており、昼夜2公演のチケットは共にソールドアウトとなっていた。

さくらしめじ 年末恒例ワンマンライブで挑戦に満ちた2019年を締めくくり

開演時間になるとメンバーが作ったヒップホップ調のトラックに乗せて緞帳が上がり、ラフなジャージ姿のさくらしめじが登場。ステージ中央に設置されたコタツに入ったままの状態の二人は「今年もこの季節がやってきました! いつものライブと違って、ゆったりまったりと楽しみたいと思います」と挨拶。最初は開演前にお客さんに記入してもらったアンケートを集めたボックスからその場で引いた楽曲を演奏する「リクエストコーナー」で、第1部では「ねこの16びーと」をDJを従えて飛び跳ねながら歌い踊り、片思いソング「きみでした」では切ない歌声を響かせた。

さくらしめじ 年末恒例ワンマンライブで挑戦に満ちた2019年を締めくくり

MCでは「今年を振り返るさくらしめじクイズ」を繰り広げ、おなじみのカバーコーナーでは、ベースを迎え、高田彪我(ひょうが)はエレキギターに徹し、田中雅功(がく)のヴォーカルというバンドスタイルでONE OK ROCK「完全感覚Dreamer」をカバー。田中の熱いシャウトに自然とクラップが沸き起こるなか、再びリクエストコーナーに戻り、高田は「中1の時からずっとある曲。結成当初からやってる」という1stシングル「いくじなし」を歌い始めるも、懐かしのコールに田中が驚き、演奏をストップさせてしまうというハプニングもあった。

さくらしめじ 年末恒例ワンマンライブで挑戦に満ちた2019年を締めくくり

さくらしめじ 年末恒例ワンマンライブで挑戦に満ちた2019年を締めくくり

さくらしめじ持ち込みの「コーナー企画」では50杯を先に食べた方が勝ちという<わんこそばの早食い対決!>に挑戦。客席から「がんばれ~!」という応援の声が上がる中、見事、田中が勝利し、負けた高田はコタツに潜り込んで落胆した様子を見せた。さらに、観客のリクエストから、二人で初めて作詞作曲した「おもいでくれよん」と、「どんなことがあっても、どんな人の元にも、いつか必ず笑顔の未来がやってくる」というメッセージを込めたフォークバラード「笑顔の未来へ」を心を込めて歌い、開演前に<今年を振り返って一言>というテーマで書き上げた巨大な垂れ幕を披露。「雨が少なくてマジ卍」と書いた田中は「結成して以来、ずっと雨男と言われてきたけど、2回目の野音も晴れだった」と胸を張り、「波乱万丈な1年に感謝」という高田は、「勉強になったし、学ぶことも多かった。
本当に成長できた1年でした」と感慨深げに語り、最後はDJを呼び込み、高田が三線を手にし、HYの名嘉俊が提供した最新曲「合言葉」で締めくくった。

さくらしめじ 年末恒例ワンマンライブで挑戦に満ちた2019年を締めくくり

さくらしめじ 年末恒例ワンマンライブで挑戦に満ちた2019年を締めくくり

2部の最初のリクエスト曲は1部のラストナンバーだった「合言葉」だったが、ここでは二人のアコースティックギターの弾き語りで演奏。「遠距離恋愛になる」というお客さんに向けて心を込めて届け、続く「先に言うね」も弾き語りで高らかに歌い上げると、場内からは温かい拍手が沸きおこった。そして、最初のトークコーナーは「スタッフによる今年を振り返るさくらしめじクイズ」のはずが、まさかのドッキリコーナーへと展開。高田は「きのこりあん(ファンの総称)がキュンとするひとこと」を求められ、田中は忘れ物が多すぎると暴露された挙句、電流が流れるビリビリ罰ゲームを浴び、ステージを走り抜けるほど悶絶。スタッフからの「都合が悪くなると無視する」というクレームを受けた高田も仲良く同じ罰ゲームを受ける結果となった。

さくらしめじ 年末恒例ワンマンライブで挑戦に満ちた2019年を締めくくり

さくらしめじ 年末恒例ワンマンライブで挑戦に満ちた2019年を締めくくり

そして、2部のカバーコーナーでもバンドサウンドでASIAN KUNG-FU GENERATIONの「遥か彼方」をカバーすると、会場からは自然とクラップが沸き起こり、田中は「純粋に楽しんじゃった」と満足げな顔を見せた。再びリクエストコーナーに戻り、観客は「だるまさんがころんだ」を希望。田中は「中学の時に幼なじみに向けて書いた手紙が元になっている曲です。思い入れのある曲なので、童心に返って歌いたいと思います」と語り、弾き語りで丁寧に歌唱。

YouTuberとしても活躍中の「たかぴょん企画」のコーナーでは“500人での伝言ゲーム”を観客が一体となって楽しみ、高田が人生で初めて作った曲である「ポンコツデリシャスロード」と「かぜいろのめろでぃー」を弾き語りで披露。<来年の抱負>を書いた垂れ幕には「窮鼠猫を噛んでやる」(田中)、「新生活に心を開く」(高田)と記した二人は「この2つの言葉を胸に2020年を乗り越えていこうという思いでいます」と来年に向けた決意を強く表明。
最後に高田が「みんなで一緒に歌って、踊って、声を上げて。2019年の辛いことを全部、この会場に流していきましょう!」と呼びかけ、「てぃーけーじー」で客席を巻き込んで大騒ぎをし、「来年も皆さんと一緒にいい年にしていきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします」という言葉に続き、二人がマイクを外し、生声で「よいお年を~~~!」と声を揃えて挨拶し、様々な挑戦に満ちた2019年最後のステージを後にした。

さくらしめじ 年末恒例ワンマンライブで挑戦に満ちた2019年を締めくくり

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なお、さくらしめじは、2020年3月4日に3ndアルバム『改めまして、さくらしめじと申します。』をリリース。1月26日(日)よりリリース記念イベントを開始する。また、結成5周年第5弾企画として、3月30日(月)にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でのワンマンライブ『世界イチHAPPYな卒業式やりまーす!(仮)』の開催が決定している。
(取材・文/永堀アツオ、撮影/鈴木友莉)
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