2月27日は新選組の日である。新選組と聞いて、もしかしたら「自分はこっちの『真選組』しか思い出せない」という世代の方も多いだろう。
そう、2019年についに終わる終わる詐欺を乗り越えて見事に(?)完結した、空知英秋先生による少年漫画『銀魂』である。「ついに最終回!」と言いながら何度も最終回を延長し、最後には連載していた週刊少年ジャンプの誌面ではなくWEBアプリにて最終回を迎えるという、ジャンプ史上でも類を見ない立つ鳥跡を濁しまくりの結末を迎えたことでもおなじみの人気漫画だが、早いもので、あのすべてのファンが手に汗を握って見守った銀魂完結から半年以上が経過した。
15年近くの人気連載だったことからロスを迎えている方も多いかと思うが、今回は“真選組”の日にちなんで、そんな漫画「銀魂」よりひと足早く終わりを迎えていたアニメ版「銀魂」についての調査をお届けしたい(なお、アニメは2021年に『アニメ劇場版銀魂』の公開を予定しているという)。
アニメ「銀魂」でオープニング・エンディングをよく歌っているのは?
まずは、ヒット作の宝庫とも言えたアニメ版のオープニング・エンディング曲について見ていこう。
アニメ「銀魂」は期間を空けつつも、全部で400話以上も放送がされていたが、なかでも最もオープニング・エンディングを担当していたアーティストは誰だろうか?
1位 DOES
2位 redballoon
3位 Prague
4位 SPYAIR
5位 monobright
最も多かったのは3ピースロックバンドのDOES。「曇天」「修羅」「KNOW KNOW KNOW」など3曲を起用されているアーティストで、アニメ銀魂と言えばこのアーティストを思い浮かべる方も多いだろう。ちなみに、アニメをすべて見ると52回分DOESの曲を楽しめることになり、だいたい銀魂10訓につき1回DOESが刷り込まれる仕様となっている。
2位には「雪のツバサ」「銀色の空」などで知られるredballoon。オープニング・エンディングともにかなり初期での起用だったため、古参のファンからするとかなり思い入れのある曲でもあるだろう。
一番人気のオープニング・エンディング曲は?
次は曲別の人気ランキングを見てみよう。
2020年2月時点でのYouTubeの再生数をもとに、楽曲をランキングにしてみたのが以下である(※非公式も含め最も再生数の多い動画を参照)。
1位 プライド革命/ CHiCO with HoneyWorks
2位 サムライハート(Some Like It Hot!!) / SPYAIR
3位 曇天/ DOES
4位 桃源郷エイリアン/ serial TV drama
5位 Pray / Tommy heavenly6
最も再生数が多かったのは“ハニワ”の愛称でも親しまれるHoneyWorksと歌手・CHiCOのプロジェクトであるCHiCO with HoneyWorksの「プライド革命」。楽曲のMVもなんとなく木刀リスペクトのストーリー仕立てとなっているので、観たことのない方はこれを機にぜひ観てほしい内容だ。
2位にはSPYAIR「サムライハート(Some Like It Hot!!)」がランクイン。
4位にランクインしたのはserial TV drama「桃源郷エイリアン」。この曲自体は第二期のオープニングとして起用されていた楽曲だが、同バンドのリーダーである新井弘毅は第四期オープニング曲・DISH//「勝手にMY SOUL」の作詞作曲も手掛けており、陰ながら銀魂と縁のあるアーティストだということもお伝えしたい。
アニメ「銀魂」で一番長いサブタイトルは?
ここまで、アニメ「銀魂」にまつわる音楽についてを見てきたが、せっかくなので最後に銀魂あるあるとしてお馴染みのあの「長いサブタイトル」についても見ておきたい。
漫画第1話・アニメ第3話のサブタイトルである「天然パーマに悪い奴はいない」など、サブタイトルとは思えない長さで時折話題になっていたが、実際に一番長かったアニメ版のサブタイトルがこちらである。
1位
仕事のグチは家でこぼさず外でこぼせ!って言うからちょっとこぼさせてもらうけどね「侍の国」僕らの国がそう呼ばれていたのは今は昔の話...とか言って始まったこのアニメもはや一年半、あんな事こんな事いろんな事があったよね、で、そろそろ色々振り返ってもいいかなーと思ったのに「チェッなんだよ総集編かよ、手抜きじゃね?」とか、アニメだって作るの大変なんだから文句言うのやめなさい!
2位
プ○ズンブ×イクシーズン2って確かにもうプリ××ブレ○クしてるけどあれはこの腐った社会がプリズンってことだからプ○ズンブ×イクでいいんだよ
3位
今年できる事は今年中にやっちゃった方が区切りがいいんだけどつい来年から仕切り直しゃいーやって思って後回しにしてしまうのが年末のお約束
4位
ストレスはハゲる原因になるがストレスをためないように気を配るとそこでまたストレスがたまるので結局僕らにできることなんて何もない
5位
新しく始まる戦隊モノは最初はこんなの認めねェみたいになっているが最終回の頃には離れたくなくなっている
最も長かったのはアニメ75話のサブタイトルで、本当に長い。文字数にして186字、ひとつのツイートにも収めることができないロングスタイルを貫いている(※ツイートの文字制限は140字)。
内容はもはやタイトルそのものなのだが、アニメ開始から1年半頃に放送された総集編のサブタイトルとなっている。総集編でがっかりするであろう視聴者からのクレームを先回りで対応しておきたいという、優しいのかどうか判断の難しい秀逸なタイトルとなっている。
また、ネタのように見えて時折「なるほど」と感心してしまうことがあるのが銀魂のサブタイトルの侮れないところだが、2位のプ○ズンブ×イクについての考察、4位のストレスの本質を突いた考察などは一瞬「もしかしていいことを言っているのかもしれない」という錯覚に陥らせる力があり、この絶妙なバランス加減が銀魂の魅力とも言えるだろう。
今回分析したところ、アニメ版のサブタイトルは平均で14.8文字となっており、最も多かったのも14字のサブタイトルであった。
好きなアニメ・漫画が完結して寂しい思いをしたことがある人は多いと思うが、何かのきっかけに同じファンに出会うと嬉しさが倍増したりもする。連載が終了して少し離れてしまったという人も、久しぶりにアニメや漫画に触れるきっかけにしてもらえれば幸いだ。
■まいしろ
社会の荒波から逃げ回ってる意識低めのエンタメ系マーケターです。音楽の分析記事・エンタメ業界のことをよく書きます。
Twitter:https://twitter.com/_maishilo_
note:https://note.mu/maishilo