あの『E.T.』が金曜ロードSHOWにやってくる

金曜ロードSHOW!の見たい映画リクエスト企画。第一弾『天使にラブソングを』、第二弾『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ三部作、そして、待ちに待った第三弾は、今夜10月2日(金)放送の『E.T.』と、10月16日(金)放送の『プラダを着た悪魔』。

E.T.

『E.T.』、言わずとしれたスティーブン・スピルバーグ監督の、SFファンタジーの金字塔である。
しかし、公開されたのは私が生まれる1年前の1982年、実に38年前の映画なのだ。38年! そりゃ、オギャーと生まれた赤ん坊がアラフォーになってしまうわけである。逆に私が生まれた年から38を引くと、1945年。1945年! 第二次大戦が集結した年である。マーティーがタイムスリップした1955年から10年も前だ。そんな昔の映画観たことない!(と、思ったらディズニーの『白雪姫』は1937年で、『ピノキオ』は1940年の映画だった)

となると、いくら80年代を代表する大ヒット映画だとしても、ゴールデン洋画劇場が終わり、日曜洋画劇場も逝き、残った金曜ロードSHOWがジブリ、コナン、ディズニー、ルパンと2週3週続けてアニメやったかと思えば、3週連続ハリポタ祭りをやっていた間に、20代以下の世代にとっては、よっぽどの映画好き以外、聞いたことはあるけど観たことない映画になってしまったのではないだろうか。

というわけで、『E.T.』を初めて観る方々のために、なるべくネタバレにならない範囲で、あらすじと、知っておくと『E.T.』を観るのがより楽しくなる鑑賞ポイントをいくつかザックリまとめてみた。

超ザックリあらすじ

舞台はロサンゼルス郊外(っぽい)住宅地。ある夜、宇宙人が1人、宇宙船から地球に取り残されてしまう、その宇宙人を見つけたのは母親と兄妹と暮らしている10歳の少年エリオット(父親は愛人とメキシコへ行ってしまった)。心と心が文字どおり通じていくエリオットとE.T.。しかし、そんな彼らを監視している者達がいた……。

E.T.

E.T.は“Extra-Terrestrial”の略

吹替ではE.T.という言葉が何を指すのかほぼ説明がないが、エリオットは劇中、宇宙人のことをイーティー! イーティー! と、まるで宇宙人の名前のように連呼する。日本人には馴染みがなさすぎる略称だが、E.T.とは、すなわちExtra-Terrestrial。地球外生命体の略である。


無性にピザが食べたくなる

超個人的な感想だが、ETを観るとピザが食べたくなる。冒頭でピザがデリバリーされるシーンがあるからで、理由はそれ以上でも以下でもない。ただ、ソーセージとサラミのピザが無性に食べたくなるので、あらかじめ用意しておくことをお勧めする。ちなみに、このピザはわりと早めに悲惨な最後を迎える。

チョコも食べたくなる

劇中、マーブルチョコのような色とりどりのチョコが出てくるからで、理由はピザ同様それ以上でも以下でもない。ちなみに、このチョコはM&Msそっくりだが、HERSHEY’Sの商品である。当初はM&Ms製を使う予定だったが、M&Msが断ったためHERSHEY’S製になった。このチョコレートはその後バカ売れしたらしい。

妹役がドリュー・バリモア

エリオットの妹役を子役時代のドリュー・バリモアが演じている。彼女はその後、9歳から飲酒・喫煙を始め、10歳で大麻、12歳でコカインに手を出し、リハビリ施設に入所、自殺未遂も経験したが、人気女優として見事に返り咲いた。

なかなか全身像が出てこないE.T.と謎の大人達

『激突!』のトラック運転手、『ジョーズ』のサメ、『ジュラシックパーク』のTレックスやラプトルなど、スピルバーグ演出ではもはや“あるある”だが、恐怖の対象や得体の知れない物は、シルエットや体の一部、主観の映像など、チラ見せや存在感のみで観客をハラハラさせるシーンがギリギリまで続き、全身像がなかなか出てこない。E.T.もまた同様で、E.T.の全身像がわかると、E.T.を捜索する謎の集団の描かれ方にその傾向が強くなる。


サメが出てくる

劇中、スピルバーグの出世作である『ジョーズ』を想起させるサメ(を模した何か)が出てくる。その際、スピルバーグの盟友であるジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』のキャラクターも出てくる。

ハロウィンシーンにあの有名キャラがカメオ出演

E.T.を外に連れ出すため、ハロウィンの仮装を利用するのだが、住宅街を仮装して歩いているレイヤーの中に、あの有名キャラが紛れ込んでいる。

ポスターの指と指カットは存在しない

『E.T.』と言えば、ポスターにあしらわれている指先と指先が触れ合うカットである。非常に印象的なこのカットだが、劇中どこにもそんなカットは存在しない。似たカットは登場するが、ポスターの趣とはだいぶ違う。

金ローの『E.T.』をもっと楽しむためのザックリ鑑賞ポイント

音楽は巨匠ジョン・ウィリアムズ

音楽を担当しているのは、『ジョーズ』『スター・ウォーズ』『インディ・ジョーンズ』『ホー・アローン』『ジュラシック・パーク』『ハリー・ポッター』など数々の名作に彩りを添えてきた巨匠ジョン・ウィリアムズ。

E.T.とエリオットのその後

2019年11月に、E.T.とエリオットの37年ぶりの再会を描いたショートムービー(Xfinityという会社のプロモーション)が公開された。エリオット役は、すっかりおじさんになったヘンリー・トーマス本人が続投しているので、金ローの本編を観終わった後に観てほしい。

【YouTube】A Holiday Reunion - Xfinity 2019

地上波映画放送の醍醐味

NetflixやAmazonプライムなど、サブスク映画全盛の時代だが、日本中の人間が、同じ作品を、全く同じ時間に鑑賞する地上波映画放送にはサブスクにはない魅力がある。週末の夜、必ず映画を放送していた頃は、「特に興味はなかったけど、なんかTVでやってたからつい観ちゃって、結局最後まで観てしまった。何となく観始めた映画だったけど、すごくいい映画だった。」なんてことがよくあった。『トレマーズ』『3人のゴースト』『ニューヨーク東8番街の軌跡』……たまたま放送しているのを観たことで何本もの素晴らしい映画に出会えた。これはこの映画が観たいと、能動的に映画館に行ったり、サブスクで選ぶのとはまた違った醍醐味である。


その機会を再び与えてくれる金曜ロードSHOW!のリクエスト企画。この放送で『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを初めて観た人も多かったらしい。この企画を今後も支えるには視聴率で応援するしかない。というわけで、ご家族、ご友人、お誘いの上(もちろんお一人様も大歓迎。)、みんなで『E.T.』を観ていただきたい。
(ウラケン・ボルボックス)


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