
※本文にはネタバレがあります
『ネメシス』第9話 女神たちの決戦
櫻井翔演じるポンコツ探偵・風真尚希と、広瀬すず演じる天才過ぎる助手・美神アンナがバディを組み、超難解事件を解決していくドラマ『ネメシス』(日本テレビ系 / 日曜よる10時30分〜)。最終章に入り、これまでのコミカルなストーリーから一転。第9話ではチームネメシスが集結。【前話レビュー】『ネメシス』まさかアンナ(広瀬すず)が! まさか朋美(橋本環奈)が! 衝撃の事実が明らかになった第8話
「これ全部あたしが生まれたからじゃん…」
第7話、8話を通してゲノム編集ベイビーであることを知ってしまったアンナ。やり場のない怒りをぶつけるようにして、アンナの父・美神始(仲村トオル)からもらったキューブ型のネックレスを引きちぎり、床に投げつけて探偵事務所を飛び出した。
アンナは出生の秘密に加えて、さらに驚く事実を四葉朋美(橋本環奈)から突きつけられてしまう。出会って1カ月ほどだが、まるで親友のように接してきた朋美だったが、実はカンケンを立ち上げた菅容子(今村美乃)の娘、菅朋美だった。
正体を表した朋美は、志葉(板橋駿谷)と共にアンナを拉致。そこには長らく監禁されていた始の姿も。インドでの生活ではタンドリーチキンを焦がして……と、穏やかに暮らすごく普通の親子。始が日本に戻るなり行方不明になり、まさかこんな形で再会を果たすとは……。
朋美らがアンナを拉致した理由の一つは、キューブ型のネックレスに入ったデータだった。アンナが投げ捨てたネックレスは、風真が拾いスーツのポケットに入れていた。
「アンナ、大丈夫か? アンナ」
監禁部屋に唯一ある小窓からアンナに話しかける始。「悪かった。あのままお父さんがずっとインドにいれば……。いや、もっと早く本当のことを話すべきだった……」。小窓にアンナの姿をみつけるなり思いを伝えた始。しかし始を見ずに、膝を抱えて下をむいたままのアンナ。
朋美と大和に脅されようが、半年も口を閉じてきた始。しかしアンナを目の前にして、注射器を持った大和が揺さぶりをかける。「立花先生、私たちはGE.10.6の研究データと成長したこの子の肉体があればそれでいい。極端な話、細胞さえ生きていれば、彼女の意識がどうなっても構わない」。
そもそも難病治療を目的としてゲノム研究に取り組んでいた始。同じ志を持っていたはずの大和猛流(石黒賢)だったが、菅容子からの誘いをきっかけに人の道を外れてしまう。7話の最後でアンナと対面した際にも、「アンナちゃん。君はね、立花教授と我らで作った世界初のゲノム編集ベイビーなんだよ」と淡々と告げていた。心無い言葉からはアンナをサンプル、研究対象としか捉えていない様子が伝わってきた。
声を荒げる始に、朋美も続ける。「望まずに生まれた子でもそれなりに情が沸いたってことですか?」。大和がアンナを押さえつけ注射器を向けると、「ナイトツアー!」とデータにアクセスできるパスコードを叫んだ始。するとパソコン上にはチェスゲームが登場。ここからアンナと朋美、才女たちの対決が繰り広げられた。
「自分の運命くらい、自分で決める」ーー思いもよらぬ運命を背負わされていたアンナ。それでも、強い意志を持っていた。
チームネメシスが集結!
一方、行方不明になったアンナを探し出そうと、風真、栗田一秋(江口洋介)、凪沙(真木よう子)が作戦会議。「俺の最大の武器は誰とでも仲良くなれる、つまり人脈ってことで、7人の侍を招集します」
風真がパチンと指を鳴らした。風真と栗田、姉の神田水帆を亡くした凪沙をはじめ、あぶなすぎるデカのタカ&ユージ(勝地涼、中村蒼)、ハンドルを持つと人格が変わってしまう医師の上原黄以子(大島優子)、映画館の地下からほぼ出ないが駅弁好きの道具屋、星憲章(上田竜也/KAT-TUN)、クールにみえて実は風真のことが好きな天才AI開発者の姫川烝位(奥平大兼)、アンナが贔屓にしていた料理店のリュウ楊一(加藤諒)、アンナにまだ教えてない技があると元凄腕の詐欺師で、現在はマジシャンの緋邑晶(南野陽子)もやってきた。
「なんか面白いことやって」と星が風真にむちゃぶり。「いま!?」と驚く風真に、顎でサインを送った星。普段は櫻井翔をアニキと慕う上田竜也……プライベートでの上下関係が逆転する、ドラマならではの貴重なシーンだ。
そんな無謀な星だが、「やっぱりあの子じゃなきゃダメだな。キレが悪い」と笑顔をみせた。そしてたくさんのアイテムを詰め込んだであろう大きなリュックを風真に持たせてくれた。姫川もアンナのことが好きだと、彼らしい熱をみせた。
「お前の20年、無駄じゃなかったな」栗田が風真に言う。風真尚希の20年。

仲間に囲まれて目を潤ませた風真。櫻井も事前のダイジェスト番組で月日と自身の境遇を重ねたコメントをしていたが、視聴者も風真の姿と“20年”というキーワードに、21年間活動を続けてきた嵐としての櫻井翔の人生を重ねた人も多かったようだ。
朋美と大和は協力関係があるようでいて、利害関係が一致しているだけ。実はそれぞれに目的が異なる。それに対してアンナには血の通う関係を築いた仲間がいる。風真とアンナはこれまでペアで事件を解決に導いてきただけに、離れていても心がつながったシーンは特別だった。
チームが総力をあげて探し出した車の後部座席で、風真が何かをみつけた。離れているアンナに「アンナ、俺、大丈夫かな?」とテレパシーを送るようにつぶやくと、監禁されているアンナも「大丈夫」。その目には力が入っていた。
「この世に晴れない霧がないように、解けない謎もいつかは解ける。
第10話のタイトルは『愛してくれてありがとう』。9話の最後に風真が車内でみつけたものが明かされていなかったが、アンナ救出のカギを握っていそうだ。
(柚月裕実)
『ネメシス』未公開シーンを含む「特別版」
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※最終回のレビューを更新しましたら、エキレビ!のツイッターにてお知らせします
番組情報
日本テレビ系『ネメシス』
毎週日曜よる10時30分〜
出演:広瀬すず 櫻井翔
江口洋介 仲村トオル 真木よう子 橋本環奈 石黒賢 山崎紘菜 上田竜也 大島優子 勝地涼 中村蒼 富田望生
総監督:入江悠
監督:片桐健滋 / 岸塚祐季
脚本:片岡翔 / 入江悠
音楽:横山克
製作著作:日本テレビ
番組サイト:https://www.ntv.co.jp/nemesis/
柚月裕実
Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。
@hiromin2013