多くのアーティストが「世界で活躍する」ことを目標に掲げる。今、そのポジションにいちばん近い日本人アーティストは、K-POPグループに所属するメンバーたちだろう。
今、K-POPは2000年代生まれのメンバーを中心とした「第4世代の時代」と言われている。「世界」がいちばん近い、K-POP第4世代グループで活躍している日本出身メンバーを紹介しよう。
K-POP第4世代にフォーカス
●BLACKPINKの後輩TREASUREには、4人の日本出身者がヨシ(2000年5月15日生まれ・兵庫県出身)
マシホ(2001年3月25日生まれ・三重県出身)
アサヒ(2001年8月20日生まれ・大阪府出身)
ハルト(2004年4月5日生まれ・福岡県出身)
BIGBANGやBLACKPINKが所属するYG ENTERTAINMENTがサバイバルオーディション番組『YG宝石箱』から誕生させた、超大型ボーイズグループがTREASURE(トレジャー)だ。
2020年8月7日、1stシングル『THE FIRST STEP : CHAPTER ONE』のタイトル曲「BOY」で韓国デビューし、その年の新人賞で5冠を獲得。2021年、3月31日には日本1stアルバム『THE FIRST STEP : TREASURE EFFECT』で日本デビュー。デビュー盤でオリコンウィークリーチャートの1位を獲得している。
ヒップホップをベースとしたアメリカナイズされたサウンドで、海外でも音楽的評価が高いYG ENTERTAINMENT。特にボーイズグループにおいては、デビュー時から作詞作曲、振付などをセルフプロデュースするアーティスト性を重視してきたこれまでのグループと異なり、TREASUREで初めて大人数でK-POPらしいフォーメーションダンスを基調にしたダンスボーカルグループをデビューさせたのは、長年のYGファンに驚きを与えた。
しかしTREASUREも、表側はアイドル性が高いが、中身はしっかりとYG印。彼らももちろん収録曲の楽曲制作に関わっている。
TREASUREは韓国メンバー8人と、日本メンバー4人で構成されている12人組グループ。ラップ担当のヨシは、高音のラップを得意とし、ダンスのスキルも高い。
ボーカル担当のマシホは、ハイトーンが魅力。ダンスやアクロバットもこなすオールラウンダーかつ、愛嬌抜群の愛されキャラ。アサヒは、優しい歌声が魅力。作詞作曲、アートワークまでこなすアーティスト肌でもある。
大ブレイク中の彼らだが、コロナ禍でのデビューでずっとファンと直接会うことが叶わなかった。しかし10月2日に、ついに韓国で初めて有観客のファンミーティング『TREASURE 1ST PRIVATE STAGE[TEU-DAY]』をオン・オフラインで同時開催。ヨシが「昨年、21年はTREASURE MAKER(ファン)とライブをする夢を叶えたい……と書きましたが、その夢が半分叶いました!」と喜びを表していたが、1年越しの夢を実現することができた。
【レポート】TREASURE、感動の涙とファンにカムバックを誓って終えた初のファンミーティング
本格的な日本活動を行えるようになったら、その仲の良さとバラエティセンスの高さ、そして日本語能力で、日本でもますます人気が高まることだろう。
■TREASURE オフィシャルサイト
https://ygex.jp/treasure/
●超大型オーディション『I-LAND』でもダンスが話題となった、ENHYPENのNI-KI
NI-KI(2005年12月9日生まれ・岡山県出身)
韓国で人気が続くサバイバルオーディション。BTSが所属するBig Hit Entertainmentと韓国大手メディア企業CJ ENMが仕掛けたのが、番組制作費200億ウォン(約20億円)、70億ウォン(約7億円)の専用建物まで立ててしまったという超大型サバイバルオーディション番組『I-LAND』だ。その番組から誕生した7人組ボーイズグループが、ENHYPEN(エンハイプン)。オーディションに参加した練習生23人の中にはNI-KI、TAKI、Kの日本人が3名おり、NI-KIがデビューメンバーに選ばれた。
『I-LAND』は放送中から韓国だけでなくグローバル人気も高く、ENHYPENも2020年11月30日にミニアルバム『BORDER:DAY ONE』で韓国デビューするや、新人賞4冠を獲得。2ndミニアルバム『BORDER:CARNIVAL』はハーフミリオンを達成し、米ビルボード「ビルボード200」で18位にチャートイン。2021年7月6日には、『BORDER: 儚い』で日本デビューし、オリコンウィークリーチャート1位を獲得という桁違いの人気ぶりを見せている。
NI-KIは15歳ながらダンスの要として注目されており、デビュー13日目で新人賞を受賞した音楽授賞式『2020 THE FACT MUSIC AWARDS」では、圧巻のソロダンスパフォーマンスを披露した。
■ENHYPEN オフィシャルサイト
https://enhypen-jp.weverse.io/
●電撃デビューで注目。ダンススキルと素顔のギャップが魅力、NCTのSHOTARO
SHOTARO(2000年11月25日生まれ・神奈川県出身)
冒頭で紹介したインスタフォロワー数日本人男性タレント1位のYUTAが所属するNCT 127の母体であるNCTは、韓国・日本・中国・アメリカ・カナダ・タイ・マカオ・香港・台湾という多国籍で構成されるメンバーの中から、コンセプトごとに活動メンバーを選抜し、世界各都市を拠点として活動するグループ。
練習生として長い訓練期間を経てデビューするメンバーが多い中、短期間で彗星のように現れたのがSHOTAROだ。2020年9月22日、紹介映像「NCT 2020 YearParty」でソンチャンとともにNCTの新メンバーとして電撃公開され、「Make A Wish (Birthday Song)」でデビューを飾ったが、冒頭の首の動き(アイソレーション)とダンススキルが「ただものじゃない!」と注目され、音楽番組初出演のチッケム(ソロフォーカス動画)が、3日間で100万回再生を突破するという事態に。
また、パフォーマンスと反するカワウソのようなあどけないかわいらしさでも人気を呼んでいる。今後の活躍が大いに期待されるメンバーだ。
■NCT オフィシャルサイト
https://nct-jp.net/
ほかにも第一線のグループには、こんな日本人メンバーが
TREASUREを輩出した『YG宝石箱』出身のケイタはRAINが育てた新人グループCiipherに加入。ほかにもJO1の鶴房汐恩がデビューメンバー候補だったP1Harmonyのソウル、元X1のソン・ドンピョが所属するMIRAEのリアン、ガールズグループだと、aespaのジゼル、Cherry Bulletのレミ(「Girls Planet 999」にも出演中)とメイなど、多数の若い日本人が韓国で頑張っている。また、『I-LAND』で惜しくもデビューメンバーに選ばれなかった日本人練習生TAKIとKを含むNICHOLAS、EJの4名は、BTSが所属するHYBEの日本法人、HYBE LABELS JAPANからのデビューを準備中。BTSを育てたパン・シヒョクPDをメンターに迎えたオーディション「&AUDITION」で追加メンバーを決めるという。
「日本から世界へ」という点では、JYPエンターテインメントのNiziUと同じだが、NiziUは全員が日本をルーツとするメンバーなのに対し、HYBE LABELS JAPANの新グループは、多国籍なメンバーで構成されるのが異なる点。BTSメソッドで日本から世界を目指す多国籍グループも楽しみだ。