木原稔防衛大臣は24日の衆院本会議代表質問で、自民党稲田朋美議員に答え、原子力発電所の防護について「弾道ミサイル攻撃に対しては自衛隊がイージス艦により、我が国全域を防御している。状況に応じてPAC3(地上配備型迎撃ミサイル=射程は数10キロ)を原発近傍に機動的に展開することが可能」とした。


 木原大臣は「ロシアのウクライナ侵略における教訓も踏まえ、ミサイルの迎撃能力を高める不断の努力や平素からの共同訓練による警察との連携強化などを継続していく」とも述べた。


 また「昨年11月、福井県おおい町の関西電力大飯原発近隣地で実施したようなパック3の機動展開訓練を行うことが重要と考えている」と答えた。


機動展開訓練は原発のある自治体で初めての訓練として昨年11月28日、大飯原発から約7キロ離れた駐車場で実施された。滋賀県にある航空自衛隊の饗庭野分屯基地などの隊員、高射隊隊員らが参加し、ミサイルやレーダー搭載車誘導から発射までの動作確認を行った。木原大臣はこうした機動訓練を展開していくことが重要とした。


 また木原大臣はこの日の答弁で「警護出動対象への原発追加や原発近傍への自衛隊部隊の配置については様々な観点から検討の必要はあるが、防衛省・自衛隊として、いかなる事態にも適切に対処できるよう取組んでいく」と答えた。

(編集担当:森高龍二)