「資産倍増」を掲げ、個人の銀行預金やタンス預金が株式市場など投資に向くよう国民に促す岸田文雄総理自身、株式市場には一切、投資しておらず「有価証券保有ゼロ」という、あきれた実態が28日の参院予算委員会で明らかになった。


 れいわ新選組の山本太郎代表の質問で浮き彫りになった。

山本議員は岸田総理が2021年9月8日に行った自民党総裁選出馬会見で「所得倍増計画」をあげたが、8か月後には「資産所得倍増」に転換した、と指摘し「株でも買って資産を増やせということ。ロンドンで行った講演では約2000兆円ある個人資産を投資に振り向けるといったが、国家がバクチ(元本割れの危険があるもの)に手を出せと煽るのはなしではないか」と提起した。


 そのうえで、山本議員は「総理ご自身はどうなのか」と株式市場などに投資しているのか質した。総理の資産公開で最新の有価証券の内容と金額を教えてくださいとの問いに内閣官房審議官は2021年12月公開分で「(総理は)有価証券は保有していない」と答弁した。


 山本議員は「総理ご自身は金融商品には一切手を出さず、自分の財産をちゃっかり守るんですね」と皮肉った。岸田総理のいう資産所得倍増計画の本質が財界、資本家のための政策でしかないことを浮き彫りにするもので、金融所得課税見直し先送り姿勢からもうかがえそう。

(編集担当:森高龍二)