ヤマハ発動機はスバルテクニカインターナショナル(STI)が開発するモータースポーツ電動競技車両「EV STI E-RA」に搭載する電動モーターユニットを提供した。コンセプトカーは1月14日から幕張メッセで開催の「東京オートサロン2022」のSUBARUブースに出展した。
この「STI E-RA CONCEPT」は、STIが地球温暖化対策としてカーボンニュートラルを希求し、自動車競技で電動技術の経験を積むことを目的とするプロジェクトで開発中のコンセプトモデルだ。
搭載する電動モーターユニットは、STIが従来のエンジン開発で築いた技術や感性により、エモーショナルなパワーユニットの創造を目指して開発。エンジン開発で得た鋳造技術や加工技術、加えて高効率なセグメントコンダクタの採用などで、コンパクトかつ高い出力を実現している。
開発中の「STI E-RA CONCEPT」が搭載するモーターはヤマハ発動機が供給するハイパーEV向けギヤ、インバータ一体式の高回転高出力ユニット。蓄電量60kWhのリチウムイオンバッテリーで4輪を駆動する。システム出力800kW(1088ps)という高出力を独自の4モーターによる4輪トルクベクタリング技術で制御する。
ヤマハでは2020年より4輪車をはじめモビリティ全般向けに電動モーター(35~200kW)の試作開発を受託。そこでは、新たにハイパーEVなど高出力帯モビリティへの搭載を想定した最大出力350kWクラス(動作電圧800V)の電動モーターユニットを開発していた。