物価の高騰が続いている。穀物・エネルギー価格の高騰を背景にした飲食料品の値上げや電気料金の高騰が家計を圧迫し、消費者の節約ムードは高まっている。
12月13日、帝国データバンクが「ディスカウント店業界動向調査」の結果レポートを公表している。これによれば、物価高騰を背景に「『安くなければ買わない』といった節約志向の高まりを追い風に、『安売り』を前面に押し出すディスカウント店の存在感が増している」模様だ。ドン・キホーテや業務スーパー、Big-A など国内ディスカウント店の市場規模は、21年度に3兆7930億円となっており、22年度中に4兆円台に達するのは確実と予想されている。
食品スーパーの販売単価DIと売上DIの動向を見ると、販売単価DIは21年央から指数的な上昇が続いているのに対し、売上DIは伸び悩み、落ち込みの動きとなっており、物価高騰による節約ムードの高まりで、消費需要がより低価格のディスカウント店へシフトしていることを示唆している。食品スーパーからも「消費者の節約・低価格志向が続いている」という声も聞かれ、ナショナルブランド(NB)品を低価格販売するディスカウント店への需要が拡大している模様だ。ディスカウント店もNB品の価格引き下げや、さらに安価なPB品を展開するなど需要の取り込みに注力しており、レポートは「22年度以降も引き続き市場成長が期待」されると分析している。