モーニング娘。
’14、10期メンバー石田亜佑美といえば、“仙台生まれのダンスマシーン”。ダンスがうまいメンバーとして9期の鞘師里保と並ぶことが多かった。それが加入して3年、ダンス以外の魅力が花開いてきているのだ。  モーニング娘。に加入して彼女が身につけた技術として、大きなものがラップだと思う。石田のラップを最初に聴いたのは、2013年『Help me!!』のカップリングとして収録された『私のでっかい花』。  これは田中れいな飯窪春菜、石田の3人でのユニット曲で、ラップパートはすべて石田が歌っている。これまでも歌割は少なくなかった石田だが、こんなにカッコいいラップができるのか! と驚いた覚えがある。この『私のでっかい花』について、2013年春ツアーの田中が体調不良により途中で出演ができなくなった公演で、急遽石田が田中の歌パートとラップをどちらも歌ったことがある。彼女の成長と度胸が見られ、ファンの記憶に強く残るパフォーマンスとなっている。  そしてその魅力が大きく花開いたのが、2014年春ツアーの「HOW DO YOU LIKE JAPAN?~日本はどんな感じでっか?~」だ。この曲は、このツアーで一番の盛り上がりどころとなった。
実力の高さは分かっていたものの、ここまで場を盛り上げ、観客のテンションをあげる力を持っているなんて、想像していなかった。  石田のラップは、卒業した新垣里沙を彷彿させつつも彼女らしさがあって、偉そうな言い方になってしまうけど、見ていて「石田やるじゃん!」と嬉しくなってしまうのだ。現在行われている秋ツアーでも、彼女のラップを楽しむことができる楽曲があり、確実にモーニング娘。のラップ=石田亜佑美というイメージが出来上がってきている。  パフォーマンス以外にも、石田は大きく成長している。喋ると場を寒くさせるとして、9期の生田衣梨奈とともに「スベリーズ」と言われているが、最近はしっかり笑いを取り、話をできるメンバーの1人になっていると思う。  石田が話すときは、なんとなく面白くしてくれそうだと、ファンもメンバーもニヤニヤと期待してしまう。なんともないことをドヤ顔で言ったり、リアクションがいちいち大げさだったり。それを素でやっているから面白いし、いつの間にか見ている側は笑顔になってしまう。 【次ページ】いつしか“だーいし感”の虜になる■いつしか“だーいし感”の虜になる  彼女が加入して数年はとにかく真面目で、気が強そうという印象が強かった。ステージ上では、堂々としているように見えるのだが、張り付いた笑顔でどこか余裕のない感じ。しかしいつからか緊張から解き放たれ、MCでも「余裕ができて、お客さんをちゃんと見れるようになった」と言えるようになり、今まで表に出てこなかった彼女らしさがぐっと前に出てきた。
 それが、トークの面白さや表現力につながってきている。加入当時から、前へ出る精神は変わらず持ち続けているのだが、それに加えて受け入れる力を身につけたように思う。何事も「仕方ないなあ」と笑って受け入れる優しさを、石田は持っている。道重さゆみが卒業すると、グループ内では上から3番目のお姉さん。石田の明るさと優しさを頼りにしているメンバーは多いだろう。  もちろん、ダンスも大きく成長した。加入したころは、まさに「ダンスマシーン」というカッチリとしたパフォーマンスだったが、昨年あたりからそこに柔らかさが加わった。これもきっと、彼女らしさを発揮できるようになったから。  メンバー同士でアイコンタクトを取ったりファンを見渡しながらパフォーマンスする彼女は、とても楽しそうなのだ。そしてモーニング娘。'14では一番小さいのに、それを全く感じさせない。ただガムシャラに動きを大きくするのでなく、全体をキレイに見せるため、そして遠くのファンまで届くようにと、小さな体をめいっぱい使ってパフォーマンスしているのだ。
 そして、“だーいし感”について。それが何なのか、具体的に言葉にできないのだが、彼女の醸し出す雰囲気、動きや表情の中で、くすっと笑えて癒される瞬間のことだと思う。かわいらしいのだけど、なんだかおかしい。見ててニヤニヤしてしまう何かが、だーいし感なのだろう。彼女の独特の面白さは、リーダーの道重さゆみも買ってるし、他のメンバーも信頼を置いている。  最後に。先日10月5日の石田ブログに掲載された写真は、だーいし感が非常に高いと思います。場所や服装、ポーズから表情までだーいし感が溢れているのでぜひご覧ください。 東海林その子 メジャーどころを中心に、女子アイドルを追いかけています。女の子が変化する一瞬一瞬を見逃したくないです。
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