人気ファッション誌「non-no」のモデルオーディションでグランプリを獲得し、専属モデルとして活動を開始。同時にタレントしても数々の番組に出演し、「役満ボディ」と称される抜群のプロポーションで世の男性を魅了してきた岡田紗佳
もう一つの顔である「麻雀プロ」としても、数々の大舞台で輝きを放つ彼女が、競技麻雀の道に歩を進めた理由、そして表には出なかった苦悩を語る。

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【写真】「役満ボディ」と称される抜群のプロポーションも話題、岡田紗佳プロの私服カット

――プロになってわずか2年で、Mリーグという大舞台に。ドラフトで指名を受けたときはどんな気持ちでしたか。

岡田 初年度も試合はほとんど全部見ていたんですよ。単純にファンでした。だから、やっぱりうれしかったです。

――歴戦のプロたちと闘える自信があった?

岡田 それは正直ありませんでしたね。連盟の勉強会でも言われたんですけど、「試合を見ていて『この人は強いな』って思ったら、その思っている10倍は強いから。自分より何枚も上だよ」って。で、1年目に見ていたから、選手がみんなどんなに強いか、もうわかってるわけですよ。「精いっぱいやるしかないな」って思ってました。

――デビュー戦のことは覚えていますか?

岡田 全然です(苦笑)。
相手が誰だとか、自分がどんな麻雀を打ったとか、まったく覚えてないですね。初戦だけじゃなくて、去年のシーズンのことはほとんど覚えてないです。仕事で緊張することはあっても、本当に頭が真っ白になる、ってことはない。Mリーグで初めて「ああ、こういうことか」ってわかりました。プレッシャーもすごいし、1年目は怖かったです。

――怖いというのは?

岡田 対戦している相手が怖い、というのもありますし、視聴者の方に「芸能人やりながらって、麻雀をナメてるんじゃないのか?」って思われるのも怖かった。ちゃんと打とう、と思い過ぎていた気がします。

――麻雀が手軽に観戦できる時代になったひとつの弊害として、放送中のコメント欄やSNSなどで、応援だけじゃなくバッシングのコメントがあふれるようになったと聞きます。そういう一部の心無い声もプレッシャーの原因に?

岡田 芸能活動をやって来てバッシングされることもなくはなかったですけど、テレビのバラエティ番組に出るよりも、Mリーグの試合に1回出たほうがツイッターに来るコメントの量が多いです。それで負けたら叩かれて、勝っても「どうせ運だけ」みたいな。

――それはひどい!

岡田 1年目の試合で私が一度、トップの状況から対戦相手に振り込んで、同点に追いつかれて試合が終了したことがあったんです。その時は本当に誹謗中傷のコメントが殺到して。
もちろんミスをした自分が悪いんですけど、その試合までにもけっこう色々言われて「キツいな」ってことが蓄積されていたこともあって、かなり辛かったんですよ。

今こうしてポジティブにやれてるのは、その時にたくさんの方の支えがあったからですね。チームメイトでプロとしての大先輩の沢崎誠さんが、追い込まれた私を見てすぐに「休みな」って言ってくれたり、ミスをした試合の対戦相手だった小林剛さん、魚谷侑未さん、黒沢咲さんもみんな励ましてくださって。

――対戦相手が励まそうと思うくらい打ちのめされていたとは……。壮絶ですね。

岡田 1年目はその件に限らず、思い出したくもない事がたくさんありました。ただその時、剛さんがかけてくれた言葉がすごく心に残っていて。「プロはミスをしないのが仕事じゃなくて、ミスを見せるのが仕事だから」っておっしゃったんです。剛さんの真意はわからないですけど、私は「ミスしてもプロはそれを見せなきゃいけないし、それよりもミスした後でどうリカバリーするかが大事だよ」という風に受け取ったんですね。私の中にはない発想でした。ずっと、ミスしないように、ミスしないように、と思って麻雀を打っていたんで。

――そうした周囲の助けや支えがあって、徐々に前を向けるようになった、と。


岡田 はい。本当に嫌なこと、怖いことだらけでしたけど、そういう挫折も今思えばめちゃくちゃいい経験だったと思います。今は落ち着いて、すごくどっしり構えて打てるようになりましたから。Mリーグだけじゃなくて別の対局でも。

――その甲斐あってか2年目の今季はチームがレギュラーシーズン2位通過、個人ポイントもプラスでした。

岡田 11月後半くらいに最下位になった時期もあったけど、エースの内川幸太郎さんがひたすらポイントを稼いでくれて、後半戦はチーム全体がいいムードで闘えたと思います。私個人では、シーズンを闘いきれたのは1年目でファイナルシリーズに行けたことが大きかったですね。12戦しかない短期決戦で、私が出場したのがチームが4連続で4着を引いた後でした。プレッシャーは半端じゃなかったですけど、その1戦を経験したことで逆に「レギュラーシーズンの長丁場だと、1度ミスしてもあとでいくらでも取り返せるし、チームメイトも頼りになるから大丈夫」って思考を持つことが出来たというか。

これからセミファイナル、ファイナルと続きますけど、去年のファイナルはもう本当に手も足も出ない状態だったので、今年は最低でも優勝争いはしないと。今年からチームに加入した堀慎吾さんも好調ですし、去年みたいに負けが込む前に、切り替えができる人が増えたのは大きいと思います。

――期待しています。
しかしトッププロしかいない戦場で、プロ歴の浅い岡田さんがこれだけ闘えているのが本当にすごいですね。

岡田 ありがとうございます。ただ、今年は成績をプラス出来ましたけど、来年もそうだとは限らないですから。私は今シーズン、チームメンバーが4人になったこともあって、レギュラーシーズン全80試合のうち15試合しか出場していないんですよ。もちろんもっと試合に出たい気持ちはあるけど、チームとして闘うことがが一番重要だし、それを無視して「私を出して!」というのも違いますから。だからプラス成績を積み重ねて、監督から「もっと出したい」って思われる選手になること、それがいまの私の目標ですね。

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