【前編】椿梨央が語る「野球漬けの学生時代とストイックすぎるプライベート」はこちらから
【写真】小・中・高、そして現在、ユニフォーム姿の椿梨央
――先日、椿さんはかの新庄剛志さんとも対決されたとか?
椿 フジテレビさんの『ジャンクSPORTS』という番組で、新庄さんチームが野球美女軍団と対決するという企画がありまして。3アウトを取ったら、私たちの勝ち。その間に1点でも取ったら新庄さんたちの勝ち、みたいな感じでやったんです。北海道出身の私からすると、物心がついた頃に第一線で活躍されていた地元ファイターズの大スター。「勝負しなきゃ!」っていうよりは、なんかもうずっとワクワクしながら投げてましたね。
――結果はどうだったんでしょう?
椿 三振を取りました! 私、生まれて初めて持ったグローブが新庄さんモデルで、その後もずっと赤の用具を愛用してたりしたんです。で、ご本人にその話をしたら「僕に勝ったらバットをプレゼントするよ」って言ってくださって。なので、その場でバットもいただいちゃいました。ただ、実は収録の日がYouTubeで107km/hを出した2日後ぐらいだったので、肩とかめっちゃパンパンで。力感なく投げられたのは逆に、痛み止めが効かないぐらいの筋肉痛だったおかげかもしれないですね(笑)。
――ド緊張してもおかしくないシチュエーション。何気にかなり本番に強いタイプでは?
椿 自分でも「私、やっぱり持ってるなぁ」って思いました(笑)。この間も、中京テレビさんの企画で「170km/hのボールを打つ」っていうチャレンジをしたんですけど、練習では1回しかバットに当たらなかったのが、本番ではなぜかぜんぶ打てて。昔から「どこからその自信は沸いてくるの?」ってよく言われてきたポジティブな性格が、いい方向に働いてくれている気がします。男の子たちと一緒にやっていた小・中の頃から、チャンスで打席が回ってきても、「ここで打ったらMVPだな」、「新聞に載れるな」って、その場を楽しめちゃうタイプでしたしね。
――『トクサンTV』や『クニヨシTV』への出演のきっかけも、そんな感じで強気に?
椿 強気に、ではなかったですけど、図々しかったのは間違いですね(笑)。私、最初は存在もまったく知らなかったんですけど、上京して半年ぐらいしたときに友達から「出てみたらいいじゃん」って教えてもらって。で、なんのツテもなかった状況から「YouTube出たいです。一応、日本一にもなったことあります」ってDMをしたんです。トクサンたちの草野球チーム『天晴』の練習を初めて見学させていただいたときも、普通に練習着を着て行きましたからね。観に来たと言いながら、その場で勝手にアップを始めたりしてたんで、絶対「なんだこいつ!?」と思われていたと思います。
――そんな『トクサンTV』も、いまやBCリーグのチームをもつまでのビッグネームになっているわけですが、椿さん自身は今後はどんな活動を?
椿 「野球女子」と呼ばれている女性タレントのなかで、女子野球を経験しているのは今のところ私だけ。
――この夏には、高校女子野球の決勝戦が甲子園で開催されますよね。
椿 そうなんです。私自身も『プライドジャパン』っていう草野球の全国大会で、2年前に甲子園の土は踏めましたし、ちゃんと追いかければ、夢はいくつになっても叶えられる。確かに高校のときは、体力的にも性別の違いをまざまざと実感させられたし、公式戦に出られないのが悔しくて「なんで私よりヘタなやつが出られるの?」みたいなことを思ったりもしましたけど、自分を活かす方法はそれだけじゃない。そのためにも、私自身が説得力のある存在でいたいなって思ってます。
――具体的に思い描いている短期的な目標はなにかあります?
椿 モデルとしては、TGC(東京ガールズコレクション)のランウェイを歩くこと。特技を活かすという部分では、スポーツメーカーさんのモデルなんかもぜひやりたいな、と。野球ではやっぱり、本拠地が移転しちゃう前に、思い入れのある札幌ドームで始球式がしてみたい。
──今後もモデルと野球の“二刀流”に磨きをかけていくと。
椿 そうですね。球速はもちろんですが、変化球の精度ももっと上げていかなきゃな、と。今はまっすぐにスライダー、落ちる球にはフォークがあるので、とりあえずなんとかなってますけど、もっとハイレベルな対決をしていくためにも、ドロップカーブのような縦の変化球はぜひ覚えたい。……って、言っていることが、完全にアスリート寄りでヤバい自覚もすでにあるんですけどね(笑)。
▽椿梨央◎つばき・りお
1996年5月25日生まれ。北海道出身。小学4年から野球を始め、女子野球チーム『苫小牧ガイラルディア』の一員として、17年の『全国女子軟式野球選抜交流碧南大会』で優勝。上京後は、モデル兼野球女子として、YouTube『トクサンTV』をはじめ各種メディアで活躍中。