STU48の1期生としてグループを牽引してきた薮下楓が、8月8日をもって卒業し芸能界を引退する。最初で最後の写真集『STU48薮下楓写真集 さよならの余韻』(玄光社)も発売され大きな話題となっている今、卒業間近の気持ちを聞いた。
卒業を考えはじめたのは昨年の12月頃からだったそうで…。(前後編の前編)

【写真】STU48を卒業し、新しい一歩を踏み出す薮下楓

――写真集はどのような経緯で出版されることになったんですか?

薮下 「卒業記念にどうですか?」とお声がけいただいて、「私でいいんですか?」と(笑)。自分の中ではそこまでに考えが及んでいなかったので。

――撮影はどちらで?

薮下 すべて瀬戸内で撮影しました。水着の写真は広島の瀬戸田サンセットビーチと愛媛の鹿島という島で撮りました。

――初めての水着撮影ですが、いかがでしたか?

薮下 楽しかったです! 出来も「よき」でした(笑)。いい記念になったと思います。

――そもそもなぜ卒業を考えるようになったのですか?

薮下 これという大きな理由があったわけではなくて、自分の中で「今だな」と感じたからです。そう感じたのが去年の12月あたりでした。その頃からスタッフさんと話し合うようになりました。

――20歳という年齢は関係ありますか?

薮下 そんなに関係ないです。去年の春、お仕事がぱたっとなくなって、ステイホームすることになって、グループのことや自分の将来のことを考えるようになりました。
そのことがきっかけだったかもしれませんけど、卒業するという選択肢はまだありませんでした。

――その後、日常が徐々に戻ってきて、去年の夏には自身の冠番組(『STU48薮下楓の楓のショー』=MBSラジオ)も始まりました。普通だったら、仕事へのモチベーションも上がるところだと思います。

薮下 モチベーションは今も変わらずに高いままです。最後までやり切るぞという思いは強いです。大きなきっかけがあったわけではないので、説明するのが難しいんですけど、ファンの方からは「ふうちゃんはそんな感じがするよね」と言われます。一度決めたら、ぱっと去ってしまうと思われているみたいです。

――誰かに相談はしましたか?

薮下 石田千穂ちゃんだけでした。相談というよりは報告に近いものでした。千穂ちゃんは、「寂しいけど、そう考えるのも分かるし、ふうちゃんの人生だから引き留めるのも違うよね」と言ってくれました。私は誰かに相談することってないんです。事後報告が多いですね。
家族にもそうでした。誰かに相談して、心が揺らぐのも違うし、心が揺らいだ結果、相手に責任が生まれてしまうじゃないですか。お姉ちゃん(薮下柊=元NMB48)も、「最終的には自分で決めたほうがいいよ」といつも言ってくれているので。STU48を受けたときも事後報告でしたから。

――4年半の活動で、アイドルとはこういうものだというものは掴めましたか?

薮下 明日の活力になるものです。「ふうちゃんも配頑張ってたから、俺も仕事頑張るか」とファンの方が少しでも感じてくれたらいいのかなと思っていました。

――今月8日には卒業コンサート『STU48 薮下 楓卒業コンサート ~楓がいたこと~』が開催されます。

薮下 STU48としては初めての卒業コンサートなんです。私もやりたいなと思っていたんですけど、ファンの方が「お話し会」で強く要望してくれて(笑)。その声をスタッフさんに届けたからなのか、実現することになりました。今後も卒業するメンバーは残念ながらいると思うので、私がきっかけになって卒コンの流れができたとしたら、ひとつの文化を残せたのかなって、ちょっと嬉しいです。

(後編へ続く)

【後編はこちら】卒業&芸能界引退・STU48薮下楓が語るこれから「やりたいことだけをやりたい(笑)」
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