“2.5次元モデル”として話題を呼んでいる「あまつまりな」のマネージャーを務める傍ら、コスプレイヤーとして同人写真集などをリリースする活動をするやなぎばころん。今回、コスプレを始めたきっかけや意外な過去、そしてマネージャーとしての仕事についてお話を聞いた。

(前中後編の中編)

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──高校時代から同人誌を出したり、人前でコスプレをしたりとオタク活動に力を入れていきますが、高校卒業後はどんな進路を考えていたんですか?

やなぎば 特に何も決まっていなくて、親に「進路どうするの?」と聞かれたときに初めて進路を考えました。父親はいい大学を出ていたのにも関わらず、「高校卒業後にやりたいことがないんだったら、そのまま働く選択肢もあるんじゃないか」とゆるい感じだったんです。母親は「やりたいことがあるなら早いうちにやった方がいい」という意見だったんですけど、私の中でオタク文化に進むという選択肢はなくて。親と一緒に、いろいろな学校のオープンキャンパスに行ったんですけど、どれもピンと来なくて。最終的に放送映画学科というコースのある専門学校に進学しました。「裏方面白そう」「美術系のセットを組むのって楽しそう」みたいな軽い気持ちでしたけどね。

──具体的にどういうことを学ぶ学科だったんですか?

やなぎば 私が選んだのは大道具系の美術を学ぶ学科でした。なので、いまだに重い荷物があっても全然平気です(笑)。ただ学校自体は楽しかったんですけど、その道に進んでいいのか迷って悩んでいたときに、先生から「お前はADとか向いてそうだから、テレビの制作会社の面接を受けたらいいなじゃないか」と言われたんです。それで制作会社に就職しました。

──ADをやっていたとは意外です!

やなぎば 某キー局の報道番組を作る部署にいて、一応ディレクターまで昇進したんですよ。

──え!? ディレクターになるまでって、かなり時間がかかるんじゃないですか?

やなぎば 普通はかかりますし、私も入社するときにAD期間は長いと聞いていました。
直属の先輩も入社7年くらいADをやっていましたし、それぐらいかかるものなのかなと。ただ私は「自分の番組を作りたい!」みたいな野心も全くなかったですし、ADの仕事も楽しんでいたんです。ただ上のディレクターがお金の関係で切られたりして(笑)、私たちの世代から一気にディレクター昇進が早くなっちゃったんです。それで2年半ADをやって、急にディレクターに昇進しました。

──「芸能人に会える!」みたいなミーハー意識はありましたか?

やなぎば それが全くなかったんです。面接のときから「芸能に興味がない」って話をしていたので、そこを買われたみたいです。その当時は某芸能人の不倫報道が過熱していた頃で、その取材に勤しんでいました。すごく性格が悪いんですけど、当時は芸能人に突っ込んだ質問をするのが気持ち良くて(笑)。ところが、ある日ふと「他人の不倫に興味ないな」と思っちゃって。人間関係に悩んで疲れていたのもあったので、ディレクターになって1年ぐらいで辞めさせてもらいました。

──専門学校、制作会社時代もコスプレ活動は継続していたんですか?

やなぎば 専門学校時代は周りにオタクも多かったので、専門学校時代はコスプレROMを出していました。その頃から、コスプレイヤーがメディアに取り上げられるようになって、コスプレイヤーもお仕事になるんだと知ったんですけど、私自身はお仕事にしようとは考えてなくて。
当時は、あくまで好きだからコスプレをやっていました。
制作会社時代は、お金はあっても時間がなかったので、コスプレイヤーとしては静かな時期でした。一応、Twitterのアカウントは残していたんですけど、ほとんど動かしていなくて。

──会社にコスプレ活動のことは話していましたか?

やなぎば 内緒にしていました。ただお仕事でコミケの取材をすることもあったので、内心ひやひやしていましたね。コスプレイヤーの友達がネットニュースになった時には上司から「この子知ってる? ニュースに取り上げる価値はある?」と聞かれて、「うわー、友達だよ」と思って焦りました(笑)。

──制作会社を辞めた後は、どんな活動をしていたんですか?

やなぎば 何も考えずに辞めちゃったので、特に決めていなくて。実家暮らしでしたし、使う暇のなかったお金も貯まっていたので、しばらくはニートでした。そしたら、コスプレを通じて仲良くなった女の子から「私が働いているメイド喫茶で働かない?」と誘われたんです。「私なんかがメイド喫茶で働けるの? メイドさんって職業に就けるの?」って申し訳ない気持ちもありつつ、長年の憧れだった秋葉原のメイド喫茶で働き始めました。

──念願のメイド喫茶務めはいかがでしたか?

やなぎば 可愛いお洋服を着て、わざわざ私に会いに来る方がいて、大満足でした。ただ、年齢と共にメイド喫茶への憧れも落ち着いていたので半年ほど勤めて、その後は知り合いに誘われてコンパニオン派遣会社の事務をやっていました。


──その頃にはコスプレ活動も再開していたんですか?

やなぎば ニートの時期に復帰しました。制作会社を辞めたのもあって吹っ切れて、その頃からセクシーな衣装も着るようになりましたね。

【後編はこちら】コスプレイヤー・やなぎばころんがあまつまりなマネージャーになったワケ「月給制の正社員です」

▽やなぎばころん
少女のようなルックスと、むっちりとした柔肌のギャップが魅力的なコスプレイヤー。普段は2.5次元モデル・あまつまりなのマネージャーを務める。また、こだわりの詰まった同人写真集は必見!
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