グラビアクイーンとして一世を風靡し、『ゆるきゃん△』(テレビ東京)に出演するなど現在は女優として活躍している柳ゆり菜。“ラスト写真集”『女っぷり』(扶桑社)を11月26日に発売した彼女に、写真集にかける思いを聞いた。
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【写真】小顔の抜群スタイル、柳ゆり菜の撮りおろしカット&写真集カット【11点】

──写真集『女っぷり』でお気に入りの写真はどれでしょうか?

柳 黒のロングドレスを着て、鏡に向かって立っている写真です。今までグラビアでは黒の衣装をあまり着てこなかったんですけど、この写真集にはよく黒が出てきます。それが自分の中でも新鮮でした。個人的にも黒が似合う女性が好きなんですよね。黒って、いろんなものを引き立てる色だと思いますし、それが似合うような女性になれたのかなって思うとうれしかったです。

──グラビアにお芝居の影響は反映されるものですか?

柳 今回は私が素敵だなと思ったものを詰め込んだのですが、これまで見てきたものや、自分の中で確立されている“好き”が反映されているなと感じています。たとえば、あの女優さんがこういうシチュエーションにいたら素敵だよなと脳内映画を作ってみたりするんですけど、それをキャスト:自分で落とし込んだシーンとかもあって。でもその表現はお芝居で培ったものだけではなく、これまで観て来た映画やドラマ、家にいる時間や撮影の合間に読んだ本などから自然とインスパイアされていたのかなと。

──ちなみに最近観た映像で印象的な作品は何でしょうか?

柳 Netflixで配信されているオリジナルドキュメンタリー『ブリトニー対スピアーズ -後見人裁判の行方-』です。周りの友達がハロプロさんやAKB48さんを好きなように、ストリートダンスをやっていた私にとってのアイドルはブリちゃんだったんですよ。MVを真似して踊ってみたり、ファッションを参考にしたり……。でも周りのみんなは日本の男性アイドルが好きで、ブリちゃんやシアラ、ジャネット・ジャクソンの話をしても誰も聞いてくれなくて。
給食の時間にリクエストの音楽を流していたんですけど、たまにブリちゃんとかを流すとブーイングを食らうんですよ(笑)。だからカラオケに行ったときに、友達と歌うためだけに、当たり障りのない曲を覚えたり無理して頑張っていたのも懐かしいです。この作品を観て、そうやって自分の過去を思い出しながら、こんなにブリちゃんは苦労していたんだって感慨深かったです。

──今もダンスをやりたい欲求ってありますか?

柳 踊れる環境が身近にあれば、ずっと踊っていると思います。今はなかなか、そういう機会もないので難しいですけど(笑)。でも今の子たちはダンスがすごく身近な存在ではありますよね。私がダンスを始めた頃なんて、「ダンスをやっている」って話したら、「社交ダンスをやっているの?」って言われるような時代でしたから。

──今はダンスが義務教育の必修科目で、パリ五倫で「ブレイキン」が正式種目になりましたし、D.LEAGUE(Dリーグ)というプロのダンスリーグもありますからね。

柳 ちゃんとストリートダンスが市民権を得ましたよね。まだ私の頃はダンスが必修じゃなかったですし、高校生になったときに選択授業でダンスがあったんですけど、その時点で8年近くダンスをやっていたので、学校で習うようなダンスは踊ってられなかったです(笑)。

──『女っぷり』の話に戻しますが、これがラスト写真集というのは、作る前から考えていたんですか?

柳 そもそもオファーをいただくまで、また写真集を作るつもりもなかったんです。なので、どうせやるなら最後のつもりで、一生残せる作品を作って、1つの区切りにできたらいいなと。
「もう絶対にやりません!」ということではないんですけど、そういう気持ちでやることで、最後と謳ってもいいのかなと思いました。

──写真集の構成にも携わったんですか?

柳 はい。何時間もかけて、みんなで写真を並べ替えて、その後も何回もチェックして……と試行錯誤を繰り返しました。この写真集にはファッション的な要素の強い写真、グラビア的な要素の強い写真のそれぞれがあるんですけど、男性にはファッション的な要素の強い写真って近寄りがたいイメージがあると思うんです。なので最初はファッション性の強い流れから、徐々に距離が縮まっていくような構成を目指しました。

──表紙はお風呂の写真ですが、どういう経緯で決まったんですか?

柳 表紙の写真はスタッフ全員でかなり迷いました。いろいろな人の意見を聞いたんですけど、このお風呂のカットは男性も女性も好きだと言ってくださる方が多かったんです。インパクトもあるし、目力も強いし、セクシーだけどエロい訳じゃない。不思議なバランスの写真だったので、これしかないだろうと。特に飾ってない感じの写真を表紙にした方が今回はしっくりくるなと思いました。

──最後にタイトルの『女っぷり』にかけて、ご自身ではどういうところが“女っぷりがいいな”と思いますか?

柳 うーん、実は私は男っぷりの方がいいんですけど(笑)。ただ、映画の撮影現場で「色気が映画的だ」と言ってもらえることが多いんですよ。
ボディラインがキレイだからとかじゃなくて、昭和の女優さんが持っているような、内側から出る色気というのを感じる役がピッタリくると言ってもらえるんです。「色気と素のハンサムっぽさのギャップも面白いから武器になるよ」って言ってくれる方もいて、それはうれしかったですね。そんなところも、今回の写真集で感じてもらえたらなと思います。

(取材・文/猪口貴裕)
▽柳ゆり菜(やなぎ・ゆりな)
1994年4月19日生まれ、大阪府出身。
Twitter :@Yngyrn0419
Instagram:yurinayanagi__
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