【写真】「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で歌う岡田奈々
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1月12日(水)、千葉・舞浜アンフィシアターで行われた「第4回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」。優勝をさらったのは、AKB48/STU48の岡田奈々だった。
大会前から本命視されていた。予選を1位通過していたからだ。本人も「目標は1位です」と鼻息も荒かった。
岡田は第1回大会から優勝候補の一角だった。歌唱力には定評があった。4年前にはソロコンサートも開催している。ソロコンでは彼女にしか作り出せない空間を作り出し、2000人の観客を引き込んだ。
だが、「歌唱力No.1決定戦」では優勝できずにいた。なぜだろうか? そのヒントが、優勝決定後の囲み会見で明かされた。
「どれだけ一人で羽ばたいていけるか」
「ソロデビュー? したいですねー。事務所さん、ソロデビューさせてくれないかなーと思ってるんですけど」
「今年、自分が主役になりたいと思って、たくさん練習してきたのが勝因だったんじゃないか」
どれも彼女自身の意志がよく表れている。これまではあまり聞かれなかった言葉だ。
今まで岡田奈々を取材してきて感じていたのは、優しさだ。人の気持ちを考えて行動してきたし、インタビューでもそのような受け答えが目立った。デビュー当時から指摘されてきた真面目さゆえだろう。「何がなんでもセンターに立ちたい」とか「絶対に優勝したい」といった旨の言葉は似合わなかった。「歌唱力No.1決定戦」では優勝できなくても、自分の気持ちをかみ殺して優勝者を讃え、敗者を慰めていた。
ところが、今大会の彼女からは「勝ちたい」という強い思いが伝わってきた。それは、昨年、事務所を移籍したことが大きい。ドラマや舞台などの個人仕事が増え、自身が強くならなければいけないという意識が植えつけられたのだ。
今回の優勝は、欲の勝利だ。優勝したいという意志が、過去4大会でもっとも強く伝わってきた。大会に向けてカラオケボックスに何時間も籠りもしたし、事務所でボイストレーニングも始めた。ボイトレをしなくてもあれだけの美声を誇っていたのだから、鬼に金棒だ。
過去3大会、3位→5位→3位と上位にはつけていたが、優勝に手が届かなかった岡田がようやくトロフィーを手にした。『根も葉もRumor』のセンターとして名前を売った彼女が、ひとつ勲章を手にした。
順位争いからは解放された。今年は芸能界という大海原に打って出る。チームプレイの世界でもあるが、欲と欲とが激しくぶつかり合う世界でもある。
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