「これからはヘアメイクや美容の道に進みたい」と、2021年12月に、AKB48からの卒業を発表した加藤玲奈。2010年に、AKB48に10期生として加入し、グループを牽引してきた。
卒業日は2022年2月20日。新たなる道へ一歩踏み出す決意をした彼女に、12年過ごしたAKB48がどんな存在だったか、今の気持ちを語ってもらった。

【写真】新たなる道へ進むAKB48の加藤玲奈

――卒業はいつから考えていましたか?

加藤 前々から薄々卒業のことは考えていましたが、真剣に考えるようになったのはこの2~3年です。20歳を過ぎて、自分がやりたいことを決めなきゃと思うようになって。それもあって、去年から美容の学校に通い始めました。

――興味があったんですか?

加藤 小さい頃から髪の毛をいじるのが好きで、妹の髪の毛を整えることもありました。自分が将来やりたいことを考えた時にヘアメイクの仕事がしたいと思ったので、美容師免許を取るために美容の学校に通い始めました。通信でも通えるので、AKB48のお仕事をしながら勉強できるんです。レポート中心ですが、実技もあります。

――メンバーは美容の学校に通っていることを知っていましたか?

加藤 そういう話の流れになれば、伝えていました。あんにん(入山杏奈)、(中西)智代梨、後輩だとくるるん(鈴木くるみ)には話していましたね。

――卒業発表は配信でしたね。


加藤 劇場公演が終わってすぐだったので、緊張する間もなく始まってしまいました。仲のいいメンバーやスタッフさんに見守ってもらって安心感がありました。ただ、卒業すると言う瞬間は、いろんな感情が込み上げてきて私ってこんなに泣くんだというくらい泣いてしまって…。自分にも「卒業します」なんてセリフを言う日が来るんだなとその時実感しました。

――卒業の決断をする時、ご自身の年齢はそのきっかけになりましたか?

加藤 年齢よりも年数のほうが大きかったです。AKB48に12年……人生の半分もいますから。24歳という年齢は、「まだまだ若いよね」と言ってもらえることが多いので、そこまで自分を追い込むことはなかったです。

――美容師免許を取得したら何をしたいですか?

加藤 免許を取得したらヘアメイク以外にもいろんな道があると思っています。どこかの美容室で美容師として働くのもいいかなという考えもあって卒業したら、今までやれなかったことをやってみたいです。

――プライベートでは何をしたいですか?

加藤 運転免許は取ってみたいです! 早く取れたほうがいいので5歳下の妹と合宿に行ってみようかな。あとは2週間くらい旅行してみたいです! まずは韓国に行って、メキシコにも行ってみたいと思っています。(メキシコに留学していた)あんにんが「本場のタコスは日本のものと全然違う」って力説するので(笑)。


――2月20日のオンラインお話し会が最終活動日ですよね。それまではどんな気持ちで過ごしたいですか?

加藤 「衣装の写真とかちゃんと撮ってる?」ってファンの方に言われて、はっとしたんですけど、私、全然撮ってないんです。ネットを調べたら出てくるかなと思ってて(笑)。ちゃんと思い出を残しておかないと後悔しそうなので、記録に残したいと思います。

――加藤さんがAKB48に加入したのは2010年でした。入ってみて感じたことは何でしたか?

加藤 当初、私はAKB48を知らなかったんです。お父さんが勝手に申し込んだら受かっちゃったので(笑)。何が何だかわからないまま毎日過ごしていました。踊りも歌も未経験だったので、ダンスが上手な同期に置いていかれて、研究生時代は心が折れそうになっていました。

研究生といっても劇場公演に出演できるように全チームの公演を覚えたりと、とても忙しかったです。毎日レッスン場とAKB48劇場を往復していました。当時は覚えることに必死で物事をしっかり考える時間がなかったかもしれません。


――2年後に昇格して、すぐ選抜入りしました。2012年のAKB48の選抜メンバーってすごくないですか?

加藤 すごいですよね(笑)。今はもうゆきりん(柏木由紀)さんしか残っていないですよ。初選抜の『真夏のSounds good!』のMV撮影では先輩の皆さんと一緒に移動していて、超孤独で(笑)。なんで私はここにいるんだろうと、ずっと緊張していました。

――その後、ユニット「アンリレ」(入山杏奈、川栄李奈、加藤)に抜擢されますよね。どういう心境でした?

加藤 嬉しかったですけど、実力が伴っていなかったからメンタルはぼろぼろだった気がします。選抜総選挙もランクインできていなかったですし。前に出たくないと思うこともありました。否定的な声も耳に入ってきていました。

アンリレの3人はよくスタッフさんに怒られていました。3人とは「あの時はたいへんだったねー」って何時間でも話せます。
でも、その時期を経験したから、何を言われても大丈夫なハートになりました。

――総選挙ってどんなイベントでしたか?

加藤 ファンの方との絆が強くなるイベントです。順位をつけられることも圏外になることも嫌だけど、ファンの方の気持ちが嬉しかったから、すごく嫌なイベントとは思っていませんでした。順位を受け止める心の準備もできていたと思います。今「じゃあ、もう一度やりますか」と聞かれたら嫌ですけど(笑)。

――そんな人が「れなっち総選挙」を開催するわけですね。

加藤 矛盾してますね(笑)。でも、れなっち総選挙はとてもいい思い出です。MV撮影もできたし、写真集も作らせてもらえたし、舞台までやらせていただきました。グループをまたいでメンバーと仲良くなれたのがよかったです。卒業しちゃったけど、なつみかん(田中菜津美=HKT48)のファンだった方は今でもオンラインお話し会に来てくれて、「あの時は1位にしてくれてありがとう」ってお礼を言ってくれます。

――12歳で加入して、24歳になりました。
人間的にどう変化しましたか?

加藤 基本的には変わらないです。「れなっちって変わらないからすごいね!」ってよく言われます(笑)。でも、精神面は強くなれたと思います。以前はよくエゴサーチをして、自分がどう評価されているのかを気にしていました。でも、今はネットを見ることがなくなりました。ある日、突然、「何のために私はこれを見ているんだろう?」と思って。それから一切見なくなりました。

――最近のAKB48を見ていて、感じることはありますか?

加藤 去年5月の単独コンサート(「17LIVE presents AKB48 15th Anniversary LIVE AKB48単独コンサート ~好きならば好きだと⾔おう~」)から、みんなで頑張ろうという団結力が出てきたと思います。それに、それぞれが言いたいことを言える空気があります。それは、先輩と後輩の距離が近いからだと思うんです。後輩が意見を言えるのは、先輩が言いやすい空気を作っているからかなって。

――ご自身はどんな役割を担おうと思っていましたか?

加藤 後輩と仲良くすることは心掛けていました。
距離が近い先輩でいたいなと思っていて。田口愛佳、ずんちゃん(山根涼羽)、西川怜ちゃん。話してくれる後輩は何人もいます。私のこと怖いと思ってるメンバーもいると思いますけど(笑)。

――今後はどんなグループであってほしいですか?

加藤 AKB48のいいところって、イメージが固まっていないところだと思います。可愛い曲もカッコいい曲も何でもできるのがAKB48です。これというイメージに縛られずにいてほしいと思います。

――申し込んでくれたお父さんは寂しがっているんじゃないですか?

加藤 態度では見せないけど、絶対落ち込んでます(笑)。でも、お父さんには感謝ですね。申し込んでくれなかったら、私は保育士になって、違う人生を歩んでいたと思います。私の人生を大きく変えてくれました。卒業するからといって、私からお父さんに何かプレゼントすることはないです(笑)。父の日も誕生日もお酒をあげているから、それでいいかなって(笑)。

私のAKB48人生は運とタイミング、そして周りの方々に恵まれていたから12年間も過ごすことができました。そのすべてに感謝しつつ、卒業を迎えたいです。

▽加藤玲奈 卒業公演
日程:2月14日(月) 18:30開演
会場:AKB48劇場
※劇場公演は以下のプラットフォームにて配信も。
■DMM AKB48 LIVE!!ON DEMAND
https://www.dmm.com/lod/akb48/
・LIVE配信
・アーカイブ配信は30日間 ※各日24:00~配信開始予定
■VR SQUARE
https://livr.jp/monthly-member-add/H372648599
・LIVE配信
・アーカイブ配信

▽2月17日(木)~20日(日)にサンシャイン劇場で上演される舞台「いわかける」にて、20日(日)には加藤玲奈卒業セレモニー(12:00開演)の開催も。

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